↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/63

39、巨角熊のあとは、教会の掃除!?

 兵士やお父さんたちは、巨角熊を運ぶための作業をするので、その場に残った。私たちは先に馬車に向かい、馬車に乗り込んだ。


 馬車に乗ると、さっきまでの戦いが嘘のように静かな時間が流れた。窓の外からは、兵士やお父さんたちが声を掛け合いながら、巨角熊を運ぶ音が聞こえてくる。


馬車の中では会話は無く、私は壁によしかかりいつの間にか、寝ていた。


馬車が止まったことで、目を覚ました。


「……着いた?」


 壁に寄りかかっていた体を起こし、窓の外を見と、いつの間にか、街に戻ってきていたようだ。


「おはようございます、アイさん」


 向かいの席に座っていたシスターさんが、優しく声をかけてくれた。


「おはようございます……」


 私は眠たい目をこすり、ゆっくりと目を開けると、隣でカインもゆっくりと顔を上げて起きた。


「カインさんも、よく眠っていましたね」


「はい……」


 カインは小さく返事をした。


「では、降りましょうか」


 シスターさんが先に馬車を降り、私とカインも続いて降りた。


 教会の前には、いつもと変わらない景色が広がっていた。さっきまで大きな魔物と戦っていたことが、まるで嘘のようだった。


「神父様、お帰りなさい」


 教会の中から、初めて見るシスターさんが出てきた。


「ただいま戻りました。皆さん、変わりありませんでしたか?」

神父様が初めて見るシスターさんに話しかけた。


「はい。特に問題はありません」


そう言うと、そのシスターさんは微笑んでいた。

「それならよかったです」


 私たちはそのまま教会の中へ入った。


 そこで、私はふと洗濯機のことを思い出した。完成するまで、まだまだ時間がかかる。


 その間、私は魔法で試してみたいと思っていたことがあった。


「神父様」

「はい?」

「教会の掃除を手伝ってもいいですか?」


 神父様は少し驚いた顔をした。


「掃除ですか?」

「はい。私の魔法で掃除をしてみたいんです!」


最近は教会に通っているので、家で掃除を手伝う事は無くなったので、試す事ができなかったのだ。


「魔法で?今日はもう魔法は使わない方がいいですよ。掃除ならそこのシスターに聞きなさい」

「魔力はもう半分くらいは回復しました!それに、私は簡単な事しかしてないので、頭も痛くないです!」

神父様は私に勢いに圧倒されて、身を少し引いた。

「う、うむ。まぁシスターさんに掃除の事には聞いてください」


 教会の中へ入ると、早速試したくて、シスターさんに掃除について聞いた。


 まずは、廊下の掃除から始めるらしい。


「アイちゃん、そこはもう大丈夫ですよ」

「でも、まだ汚れているところがあります!」


 床の隅には細かな砂が残っていて、ほうきだけでは、なかなか取り切れない厄介なヤツだ。



 私は手を伸ばし、水魔法を使った。床に薄く水を広げる。砂や埃が水に混ざり、少しずつ集まっていく。


「……こんな感じかな」


 私は水をゆっくり動かした。すると、床の隅にあった埃が、水と一緒にまとまっていく。


「まあ……」


 シスターさんが驚いた声を上げた。


「水で掃除をしているのですか?」


「はい。水を使ったほうが、埃を集めやすいと思って」


 私は答え、水を集めて、桶へ戻す。床には、さっきまで残っていた砂がなくなっていた。


「便利ですね」


シスターさんにそう言われて、少し嬉しくなった。


「はい!!」

「次は、別の場所も掃除してみたいです!」


 私はそう言ったら、シスターさんは微笑んだ。


「あっそれと、シスターさんの名前はなんですか?」

(こんなにずっといるのに、名前すら分かってなかったし、知りたいんだよね)

私の近くにいた、カインも頷いて言った。


「あっ!私も少し気になる!」


「ふふふ、そうですね。まだ私の名前を言ってませんでしたね」

「私の名前は...」


ごくり


「クララです」

「「クララ!」」

「素敵な名前ですね!」

「ふふ、ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです」


シスター・クララは目を細めて、聖母のように柔らかく微笑んだ。その優しげな佇まいと「クララ」という澄んだ響きの名前は、驚くほどぴったり合っている。


「これからは遠慮なくクララと呼んでください」


「「はい!」」

「「 クララさん!」」


名前を知っただけで、なんだかクララさんとの距離がぐっと縮まった気がした。カインもどこか嬉しそうな顔をしていた。


「それでは、次の掃除場に行きましょうか」


「「はーい!」」

「次の場所では、床を濡らしすぎないようにしてくださいね」


 私たちは教会の食料を置いている部屋へ向かった。そこには、穀物や野菜が入った袋が置かれている。


 シスターさんが扉を開けた瞬間、足元から小さな音が聞こえた。


「……あら?」


 シスターさんが、床を見ると、袋の近くに、小さな穴が開いていた。


「またネズミでしょうか」


 シスターさんが困ったように言った。


「ネズミ?」


 私は尋ねた。


「はい。最近、食料をかじられることが多いのです」


 シスターさんは、袋の端を見せてくれた。そこには、小さな歯形がついている。


「ネズミが入ってくるのは、困りますね」


 私は床の隅を見ると、壁と床の間に小さな隙間があり、そこから入ってきているのかもしれない。


「カイン、土魔法で塞げる?」


「これくらいなら、余裕だよ!」


 カインは壁の隙間に手を向けた。すると、土が少しずつ集まり、穴を塞いでいく。その土は見るからに硬そうだった、まさに石のように硬そうだった。


「これで、入れなくなったよ」


 カインが言った。


「ありがとう!」


 けれど、これだけでは十分ではない。ネズミは別の場所からも入ってくるかもしれない。


「他の隙間も探してみよう!」


 私たちは部屋の中を見回した。すると、棚の後ろにもう一つ、小さな穴が見つかった。


 カインがそこも土魔法で塞ぐ。これで、少しはネズミが入ってくるのを防げるはずだ。


「助かりました」


 シスターさんが、嬉しそうに笑った。


「最近は、食料を守るのが大変でしたから」


 私は袋の中身を見ると、少し減っていた。


 食料が減ってしまえば、教会の生活にも影響が出てしまう、それなら、ネズミを防ぐための魔法も、もっと考えたほうがいいかもしれない。私の家にもたまに出てくるから...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。