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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
連れ去られたセルパンの救出
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98_シルクハット

「お前たちセルパンは、すぐに殺せば何でも解決すると思うバカだ」

「下等で下劣で単純でバカだ」

シルクハットはそう言い放った。


「なんだか......ずいぶんな言われようだな。洋平」

瞬がクククと笑う。

「人間はセルパンよりもっと下等で下劣なバカだ」

シルクハットは瞬のほうを見た。

ひどい言葉を並べ立てながらも、シルクハットの顔は驚くほど無表情だった。


「へぇ。あんたがどれくらい高位の天使なのかしらないけど。

たとえばあんたは服従の印を解除できるのか?」

俺はシルクハットに聞いた。


「そんなのは、天使なら、みんなできる。最下位の天使でもできるぞ。

だから、むやみやたらに人間を殺すな、バカ」

「バカ、バカとずいぶん連発するよなぁ。くそっ」

瞬がイライラしだした。

「バカなんだからしかたない。バカ」


「じゃあ、シルクハット。お前が手伝ってくれるか。

さらわれた3人のセルパンの服従の印の解除をして欲しい」


「シルクハット?私の名前は......まぁいい。好きに呼べ。

バカどもに名を名乗る必要はない」


「手伝ってくれるのか?」


「わたしは、ルートの守護で忙しいんだ、バカ。そんなバカなことできるか」

「はー。なんだよ。じゃあ、話しかけんなよバーカ」

瞬が天使に向かって大胆にも悪口を言った。


「わたしは手伝えないけど、人間をこれ以上殺すな。そんなバカなことはするなよ」

シルクハットはくり返しそう言った。


「だが俺ら、下等なセルパンと人間には服従の印は解除できないんだよ。

こうなるともう3人、殺すしか無いよなぁ」

俺はシルクハットを試すように言った。


「殺すなバカ。天使として聞き捨てならない。聞いておいて何もしなかったとなれば、ピケット様に叱られるではないか!このバカ」

「ピケット?天使にもセルペリオールみたいなボスが居るんだなぁ。

どこにいても、上下関係には悩まされるよな」

瞬がのんびりとした声で言った。


「わ、私は手伝えない。だがセルパンのルイ。

お前の近くにかなり徳の高い人間がいるではないか。魂が純白だった。

天使に近い。ルートには劣るがな。......フフフ。そんなことにも気づかないバカめ」


「なにっ」

俺はビクッとして顔を上げた。

「有理のことを言ってるのか。有理が服従の印を解除できると?」

「できる。彼女が支配者の左手をにぎって念じるだけでいい。

そんなことも知らんのか。バカめ」

「お前さ、いつも一言多いんだよ。友達いないだろ?」

瞬が呆れたように言った。


「有理が。だけど、彼女を巻き込むわけには......」


パシン!!


俺が考え込んでいると、シルクハットは俺の顔をひっぱたいた。

その動きは、びっくりするほど早くて、防御することが出来なかった。


「って!......なにすんだよ」

道華にもよく叩かれたし、こないだはナナに叩かれそうになった。

お次はシルクハットか。

俺の顔は、人が叩きたくなる顔なのか?


「お前は徳のある人間を守るということの基本ができていない」

「えっ!」


パシン!!


また叩かれる。

「洋平、お前、やられっぱなしかよ」

瞬がコーラを飲みながらニヤニヤ笑う。


「だけど、こいつの攻撃、妙に早いんだよ」


俺はシルクハットの手首をひねり上げた。

だが、やつは手首を握る俺の手を逆にひねり上げた。

「......っ!」

俺は床に引き倒された。


「ちょっと!あんたたちなにやってんの!あたしの店でケンカしないでよ」

広子がびっくりしてこちらを見ている。


普段、じっと黙り込んでいるシルクハットが暴れているので驚いているのだろう。

俺も驚いてる。

こんなに強いヤツはめったにいない。


「少しはデキるやつかと思ったが、お前弱いな。バカめ」

「くそっ」

俺は腕を捻り上げられ床にうつ伏せに倒された。

シルクハットは俺の背中に片膝を乗せて「ハハハ」と高笑いしている。


「お前は、北条有理を甘やかしているだけだ。

彼女は人を殺したことに向き合い、そしてそれを乗り越えるべきだ。

そうしないと彼女の魂は次の段階に進めない。

今からでも遅くない、お前が彼女を導け......このバカ!」



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