表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
連れ去られたセルパンの救出
95/193

95_【ナナ】瞬に会いに行く

「また授業中なのに寝てるわ」

瞬は机に伏せて口を開けて寝ていた。

寝顔がかわいい。


あたしは、瞬に危ういところを助けられて以来、彼に夢中だった。


瞬の通っている学校の場所を、ルイから聞き出した。

天界でひまさえあれば、瞬のことをスコープで覗いていた。


瞬は人間の中では「不真面目」みたいだった。

授業中は寝ているしサボることも多い。

そしていつも悪そうな人間とつるんでいる。


彼はあんなに素敵なのに。

どうして不真面目な態度をとるのかしら。

天界からスコープで覗いているだけじゃ、なにもわからない。


人間に憑依しているセルパンのルイ。

瞬は、彼ともよく一緒にいる。


ルイは天界のヒーローになっていた。

仲間のリザベルやグースもすごいけど。

ママの話によると、セルパン救出のために中心になって動いてくれたのはルイなんだって。


ルイは瞬の友達みたいだ。

ある日あたしは、彼らが河原で絡み合っているところをスコープで、見てしまった。


ルイは瞬を草の上に乱暴に押し倒して、足と足をからめている。

瞬は身をよじって、ルイの拘束から逃げようとしていた。


「やだっ!瞬がおそわれてる!ルイは男が好きなの?」

あたしはビックリした。

そして思わず、人間界に降り立った。


「瞬!」

あたしは、ルイに押し倒されて、苦しそうに顔を歪めている瞬に声をかけた。

「ルイ!お願いやめて」


「あれっ?ナナ......?」

ルイはそういうと瞬から、体を離した。

そしてあたしのほうへと近づいてきた。


あたしはルイの頬を思い切り引っぱたこうと手を振り上げた。

ルイは冷静な顔で、あたしの腕をキャッチした。

「ナナだよね?もしかして武術を教わりに来た?」

「武術?」

「俺をいきなり叩こうとするなんて、ずいぶん気合い入ってるね」

そう言うと笑いながら、あたしの手を離した。

-------------------


「これは、武術の訓練なの?」

「えっ。そうだよ?なんだと思ったの」

「え~と......あはは」

あたしは笑って誤魔化した。


「お前、ミーネのおばはんの娘だよな!」

瞬は立ち上がって、ズボンに付いた草を手ではらっていた。

「あれから元気か?ミーネのおばはんにも会えないとなると寂しいな。

そーだ。お前も武術を習えばいい。

万が一呪術が効かないときに、助けになるしな!」


「それじゃ、瞬が教えてくれる?」

「えっ、俺?俺は人に教えるのとか苦手だからなぁ」

瞬は面倒くさそうな顔をした。


「そうだ!」

そのときルイが言った。

「瞬には、セルパンの使う呪術に抵抗する力を身につけて欲しいんだ」

「えっ?呪術に抵抗?」

「そう。だからナナの炎の呪術で瞬に訓練してあげてほしい。

瞬は、ナナに武術を教えるんだ。お互い教え合う」


----------------------------


あたしは、瞬に向けて呪術を放った。

あたしの呪術は、ママと同じ、炎をあやつるものだ。

力を調節して瞬に小さな炎を見せた。


「火じゃないと思え......と言われてもなぁ」

瞬は戸惑っている。

「試しに触ってみて」

瞬は恐る恐る、あたしの手の上で踊る炎に手を伸ばした。


彼の瞳に、あたしの炎がうつる。

真剣な顔の瞬はとてもカッコいい。

彼とこんなに近くで会えて、話せるなんて、あたしは嬉しくて興奮していた。


「あちっ」

彼はあたしの炎に触って慌てて手を引っ込める。


「やっぱ火としか思えねえ」

「少しずつ慣れていきましょう」

ゆっくりでいいわ。

瞬の訓練が永遠に続けばいい。

そう思った。


「よかったな、瞬。

ちなみに瞬は、蛇が大の苦手なんだ。だから俺の呪術だと怖がるばかりで訓練にならなくて困ってた」


「そうなの瞬。分かるわ。蛇は気持ち悪いもんね」

「うわ。なんだか傷つくな。俺の蛇はかわいいのに」

ルイが苦笑いしてる。

「じゃ、ナナ。瞬のことは頼んだよ。俺はそろそろ家に帰らないと」


ルイは、あたしたち二人を残して、河原から去って行った。

ルイ、ごめんなさい。

瞬を襲っているなんて勘違いして、あたしは恥ずかしかった。


その日から、あたしは河原で瞬と訓練をすることが増えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ