表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
94/193

94_恩赦

「ルイを罰しないでください」

また背後から別の声が聞こえてきた。


子どものセルパンたちが8人くらい、姿を表したのだった。

「彼は僕たちを一刻も早く助けたくて、それできっと、あなたへの報告が遅れたんです」

「お前たち、体を休めて無くて良いのか」

俺は子どもたちに聞いた。

「魂を摂取したら回復してきたんだよ!

悪い人間たちを殴ったり、蹴っ飛ばしたり、ルイはカッコよかったなぁ!」

子どもたちが俺の周りに集まってきた。

「今度、ぼくらにも武術を教えてよ」

昏睡の呪術でも使えば早いのだが、俺はつい、武術に頼ってしまう。


「お前たち。誰の前にいると思ってる!やかましいぞ」

セルペリオールが大きな声で怒鳴った。


子どもたちはビクッとして、セルペリオールの前に一斉にひざまずいた。


「セル。レザールの部隊にいる子どもたちの親も、ルイを罰したとなれば黙っていないと思うぞ。彼らは、ここにいるルイとリザベル、それにグースに非常に感謝をしている」


「......くっ。......今回だけ特別だぞ。恩赦おんしゃということにする。今後は我の命令に背くことは許さない」


「よかった!」

「やったね!ルイ」

みんなが口々にそう言い、俺の周りに集まった。

「良かったわね!ルイ。さて、セルペリオールの領土にいたら、あたしは危ないわ。

お尋ね者だからね」

ミーネはそう言うと、姿を消した。


「今日は家族で祝いだ。こんなに心休まることは久方ぶりだ」

レザールもそう言うと姿を消した。


「レザールは同じセルパンだが、仲間ではない。今後、交流は禁ずる。わかったな」

セルペリオールは俺に向かってそれだけ言うと、姿を消したのだった。


「ルイ!良かった!」

リザベルは嬉しそうに俺に抱きついた。

「マジで、ヤバかったな」

俺も思わずリザベルを抱きしめた。

「もう!ルイはすっかり、言葉が人間みたいになってる」


リザベルは俺の顔を覗き込んだ。

「......ルイ......人間の憑依はまだ続けるの?」

俺は黙ってリザベルを見つめ返した。


「わかったわ。そんなに困った顔をしないで。

気が済むまで人間界にいれば良い。あなたを無理やり天界に戻したところで、あなたの心まで戻ってこない。悲しいけどそんな気がするの」


「ルイ!リザベル!」

グースがやってきた。

「グース!遅いじゃない。何してたの」

「煉獄でルイが継承した魂を集めてたんだ」

グースがリザベルに答える。


「シズオから継承した魂だな。グース。いつも大変なことばかり頼んでほんとにすまない」

夢の中なので、俺は煉獄へ行くことができない。

会話くらいならできるが、魂を食べたり、加工することは夢の中では不可能だった。


グースは煉獄をあちこち探し回ったのだろう。

頬は灰で薄汚れ、消耗した様子が見て取れた。

「グース。ありがとう。シズオがきっと喜んでる」


これでシズオの最後の願いをきちんと叶えることができた。


「ものすごい魂の量ですよ!ルイは魂保有量で、一気にセルパンのトップに躍り出たんじゃないですか。とりあえずは瓶詰めにしてルイの執務室に積み上げておきました。今度、人間界へお届けしますね」

「......今でも目に焼き付いている。彼の姿が。

シズオを救えなかった。俺は彼の最期の様子を一生忘れないだろう」

「ルイ......」

グースとリザベルは俺の肩をたたいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ