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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
91/193

91_【ナナ】運命の人

「俺の手の甲にお前の印が完全に出た」

「それはよかったわね」

あたしは賢治から目をそらした。


しばらく前から感じていた。

この男が来ると、ひどい恐怖を感じる。

これが「服従の印」の威力......。


あたしは賢治が死ぬまで、彼の奴隷だ。

彼に危害を加えることはおろか、逃げ出すことも出来ない。


「さっそくお前を家に連れ帰る!」

「嫌よ。行きたくない。ここのほうが良い......」

そう言いながらも、あたしは、賢治の言いなりになるしか無かった。


「おまえたちセルパンは食べ物を食べないし汗もかかないから、体は臭くないけど。

お前のきれいな肌が薄汚れてしまっている」

賢治はあたしの頬に触れた。

ゾッとして目を背けた。


「お願い。何でも願いを叶えてあげるから」

あたしは賢治に手を引っ張られながら、そう言った。

「おぉ!そうだったな。おいおい、願いも叶えてもらうからな」


--------------------------


賢治の部屋に連れて行かれた。

賢治の部屋は要塞みたいな大きなビルの中にあった。

パパもママも、あたしがこんなところにいるなんて、きっと分からない。

もう絶体絶命だった。


「早瀬さん、日の出ふ頭の倉庫で問題が起きたみたいで」

早瀬の子分の一人が、部屋のドアを叩く。

「あとにしろ。誰も部屋に入れるな」

「しかし」

「いいから。あとにしろ」


-------------------


「やだ!離して!」

あたしは部屋で精一杯の抵抗をした。

だけど、結局なにもできない。

恐怖で体が動かない。


「お前の体をきれいに洗ってやりたいけど、そんな余裕はない。もう我慢の限界だ」

ベッドに押し倒された。

怖くて死にそうだった。

「お願い。やめて......」

こんな恐怖は感じたことがない。

目をぎゅっとつぶって、顔を背けた。


そのとき、男の声がした。

「おっさん、だいぶキモいぞ!」


若い人間の男だった。

金髪に染めた髪の毛が目立つ。


その子は、あたしから賢治を引きはがすと、賢治の横っ面を思い切り殴った。


「お前誰だ!どうやって入ってきた!」

賢治は慌てている。

「ドアの前の見張りならぐっすり寝てるよ」

「くそっ!」


「かかってこいよ。女にたかるウジ虫野郎」

男の子は賢治を挑発した。


「......てめぇ!」

賢治は、男の子に殴りかかる。

でも金髪の子は、その攻撃をラクラクと避けて、賢治のアゴに膝蹴りをした。

「ぐふっ」

男の子はさらに賢治の横っ面を思い切り殴る。

容赦なく何度も。


「もっとやって!」

あたしは思わず、その子に言った。

「あたしはもっと、何度もそいつに殴られたの!」


「よし!俺が仕返ししてやる。しっかりみとけ」

金髪の子は、仰向けに倒れた賢治に馬乗りになって、殴り続けた。


「おい!瞬。そこまでにしとけ」

また人間の男の子が現れた。

でも、その子はたぶん人間の肉体を持ってるけど、人間じゃない......。

あたしと同じセルパンだ。

彼は、人間に憑依してるんだろう。


あたしは金髪の子から目が離せなくなった。

「瞬?瞬っていうの?」

あたしは必死に彼のことを呼んだ。


「そうだよ。お前がナナか?ミーネの娘の?」

あたしは瞬の方にフラフラと歩いていった。


「瞬!ほんとにありがとう」

あたしは彼にギュッと抱きついた。

「大したことじゃねーよ。俺は暴れたかっただけ。危ないところだったな」

瞬は、あたしの頭をポンポンとやさしく撫でてくれた。



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