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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
82/193

82_レザール

清めの檻に囚われていたのは、セルペリオールに並ぶ大物、レザールだった。


「お前は人間に憑依しているのか」

レザールが鉄柵越しに俺に問いかける。

「そうだ」

朝霧に分からないように、言語をフランス語に変えた。

レザールもフランス語で返す。

「さっき子どもたちに、ルイと名乗っていたな?セルペリオールのもとにいる、あのルイだな」


「そうだ」

俺は思わず、清めの檻に駆け寄った。

「痛っ」

檻の結界にまた触れてしまい、指に火傷を負う。


「はは、お前かわいいやつだな。

数分前も、檻の結界に触れて痛がっていたではないか」


レザールは何かを思い出そうとしていた。


「お前に会ったことがあるな。

40年前のウベルリ反乱の鎮圧でお前はセルペリオールの軍師をしていた。

蛇をあやつるヤツは珍しいから印象に残った。それに優秀だったと記憶している」


「今は人間界で手こずってる。天界よりも動きにくい」


「おいっ!日本語で話せ」

朝霧が肘で俺の体をつつく。

「彼は、日本語が不得意なんだ」

俺は、朝霧に嘘をつく。


驚いた。

レザールが囚われていたとは。

彼のような力のあるセルパンが、何故こんなワナにハマってしまったんだろう?


レザールほどのセルパンなら、清めの檻の拷問に耐えていることにも、弱っていないことにも、納得だった。

彼はもとの能力が並ではないのだ。


ここにいるレザールは、セルペリオールとは別の派閥で、セルパンの統率を行うボスだった。

500歳くらいで、もちろん呪術、魔力がずば抜けて高いのは言うまでもない。

ウベルリの反乱のときはレザールとセルペリオールは一時休戦、手を結んで鎮圧に動いたのだ。


そんな大物がどうしてこんなところに。


「今はこいつらの仲間のふりをしているが、近いうちに必ず助け出す」

俺は、レザールにフランス語で言った。


「ルイ。よく聞くんだ。拠点はここだけじゃないんだ。

別の拠点に俺の娘が囚われている。そこも同時に叩かないとまずい」


「拠点が2箇所あるというのは、今日知った。

そこにあんたの娘が囚われてるだって?」


「日本語で話さないのは、気に入らねえ。

日本語で話せ!でないと笹山さんに電話するぞ」

朝霧がとうとうキレた。


「それから、ルイ。お前のあるじ、セルペリオールには言うな。

言ってしまえばおしまいだ」

レザールは、ミーネと同じことを言った。


「訳のわかんねえ言葉を使うんじゃねぇ!」

朝霧は、長い棒でレザールを突いた。


しかしレザールはその棒をつかむと自分のほうへと引っ張った。

棒にもお札が貼られており、セルパンが触ると痛みを伴うはずだ。

それなのにレザールは平然と棒をつかんでいる。


「人の会話のじゃまをするとは無粋なやつだ」

レザールは朝霧のみぞおちを、棒で突き返した。


「っつぅ!」

朝霧はうめいた。

「くそっ!だから、こいつは苦手なんだ。

こんなヤツ灰にしちまえばいいのに」


「このセルパンとの話は済んだ。内容は道華に直接報告する」

俺は朝霧にそう言った。


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