77_手がかりをもとめて
結局、そのあと30分くらい、俺と瞬は拷問道具のクローゼットでじっと耐え続けた。
ミーネが部屋から出ていき、やがて道華が部屋を出る気配がした。
誰もいなくなったのをそっと確認し、クローゼットから出る。
俺と瞬は、ベランダから柱をつたって外へと逃げ出すことができたのだった。
「あぁ~、辛かった。もう少しでクシャミが出そうだった」
敷地内から抜け出た竹やぶの中で、瞬が言った。
「ヤバかったな。苦労したのに、何もつかめなかった」
結局、住所が手に入らなかった。
やはりセルペリオールに報告し、助けてもらうしか無いのだろうか。
「おいっ、あいつがいる」
瞬が前方を指差した。
竹やぶを抜け出たところにミーネが立っていた。
「ルイたんと瞬たん!」
ミーネが手招きする。
「困るわよぉ。
ミッチーに怪しまれた気がするの!
あたしが、ミッチーの部屋を漁ってたみたいに思われたと思う」
「お前がなんのために道華の部屋を漁るんだ?」
「えっ?下着を盗むとか......?」
「お前、中身も女だよな。そういう趣味があるのかよ?」
瞬が呆れたように言う。
「そうだわ。あたしは女の下着なんて興味ないわ。
ルイたんと瞬たんの下着なら、だいぶ興味あるんだけど。
ボクサーパンツ派?意外にトランクス派?まさかブリーフ派?
アラッ。やだ。ごめんなさ~い。セクハラだった?」
ミーネは嬉しそうにくねくねと身を揺らした。
「あら?あたし何の話をしに、ここに来たんだっけ?」
ミーネが首を傾げる。
「ミーネ!わざわざ来たということは
拠点の住所を言いに来たんじゃないのか?」
俺はミーネに尋ねた。
「あっ、そのハナシだったわね。
そんな単純なハナシじゃないの。今は時間がない。
部屋に戻らないとミッチーに怪しまれるわ。
明日の夜、話し合いましょう。どこか外で」
結局ミーネとは明日の夜、カフェ「暗黒世界」で会うことにした。
話し合いの場としてあそこなら、安心だ。
瞬も来るということだった。
その日の夜、俺は夢の中でグースとリザベルを呼び出した。
二人にも、力を貸してほしいと頼んでおいた。
グースとリザベルも暗黒世界に来てくれるということだった。
ようやく物事が動き出した。
そんな気がする。
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暗黒世界での話し合いの前に、俺は有理と会う約束をしていた。
有理は俺のことを超能力者だと思っている。
その誤解を解くためだ。
自分は闇の魔物で、人間じゃない。
できるだけ事実に沿って、有理に説明するつもりだった。
ただし、有理が川田洋平を殺してしまったこと。
これはうまく誤魔化して話さなければいけない。
有理につらい思いをさせたくなかった。




