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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
74/193

74_計画

放課後。

俺と道元は、瞬といつもの河原で合流した。

「呼び出して悪いなぁ」


「いいから早く話せ」

気が短い瞬が、俺を急かした。


----------------------


「セルパン取引業者ねぇ。そんなの初めて聞いた」

道元と瞬に、道華の計画をすべて話した。


「姉ちゃんは、そんなこと計画してるのか」

道元は不安そうに俺を見た。

「ウチのお袋もそれに関わってるんだよな?」

「そうだ。お袋さんに憑依したミーネも計画に関わっている」


「それで俺たちに何をして欲しいんだ」

道元が俺に聞いた。


「道華の部屋を調べたいんだ。二人には見張りをしてほしい」


俺は計画を二人に話した。


---------------------


「それなら、ちょうど今週の土曜日が良いな」

道元が言った。


「今週の土曜日は、婆ちゃんの誕生日なんだよ」


あの、白髪の老婆か。

道華と一緒に清めの檻に入ってきた老婆を、俺は思い出す。

あの老婆は、俺を殺したがっていた。


「毎年、婆ちゃんの誕生日には家族で川端亭で食事をする決まりなんだ。

だから土曜日、俺んちは、留守になる」


「そうなのか。じゃあ、土曜日決行だな。

道元と瞬は、道華やミーネが、寺に戻ってこないかどうか、見張っていて欲しい」


道元はうなずく。

「分かった」

「そのスキに、お前は道華の部屋で、手がかりを探すんだな?」

瞬が聞いた。

「そうだ」


「道華とお袋さんを見張るのは道元だけでいいじゃねえか。

俺も洋平と一緒に、道華の部屋の捜索に加わる」

「ダメだ。危険すぎる。瞬は道元の寺の近くで、見張っていて欲しい」


しかし瞬は頑固だった。

「いや。俺がいた方がいい。

俺は子どもの頃から道元の寺に出入りして、遊んでんだ。

家の間取りや隠れる場所なんかにも詳しい。

それに二人で探したほうが、短時間で済むじゃんか」


しばらく考え込む。

たしかに瞬の言うとおりだ。

瞬を危険な目には合わせたくないけど、俺は広大な道元の寺の内部に詳しくない。


「瞬。正直助かる」

俺は瞬に向かってうなずいた。


「お前らがそんなことしなくても、俺がスキをみて姉ちゃんの部屋を調べるよ?」

道元が思い切ったようにそんなことを言った。


「いや、それはだめだ道元。」

「なぜ」

「お前と道華は血が繋がっている。お前は一生、道華との縁が切れることはない。

万が一、お前が道華を裏切ったことがバレてみろ。お前は一生苦労することになる。

お前は道華に恨まれるようなことは、しないほうが良いと思うんだ」

「そうか......わかったよ」

道元は、コクリとうなずいた。


-------------------------


土曜日。

俺はイヤフォンマイクをつけていた。


俺のイヤフォンに道元からの連絡が入った。

(川田!いま、家族で川端亭についたぞ!)

「いま、家族で川端亭という料理屋に着いたそうだ」

瞬にも伝える。


「川端亭か。ネットによると、ここから車で20分の距離だ。

間違いなく、家族全員でか?道華も、お袋さんも?」

「そうだって言ってる。それじゃ行こう」


竹やぶから俺と瞬は敷地内に侵入した。

「家族は留守だと言っても、使用人や出入りの業者なんかはいるかもしれない。

完全に無人じゃないだろう」

瞬が小声でささやく。


姿勢を低くして誰にも見つからないように移動する。

時刻は18時。

薄暗くなってきていたので好都合だった。


「ここが道元の家族が寝起きしている建物だ」


当然、屋敷の出入り口には施錠がされていた。

だが俺たちは道元から鍵をもらっていた。

室内に入る。

脱いだ靴は背負っているリュックに放り込んだ。


道元の住まいは、木の香りがする日本家屋だった。

広い和室や床の間、雪見窓のついた障子、細かい装飾の欄間などがあった。


「おい。道華の部屋は2階だ。いくぞ」

瞬が言った。


瞬と俺は、ある人物に見張られていることに、まだ気づいていなかった。

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