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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
72/193

72_契約

俺は公園に戻ってきた。


公園は静かで、広場を照らす街灯が青白く光っている。

召喚されてから1時間くらいが経っていた。


有理はもう公園にいなかった。


久々に召喚された。

男の持っている魔導書に俺の印が載っていたようだ。


結局、さっきのアメリカ人とは契約不成立におわった。

「女房には、心からの謝罪をして少しずつ許してもらう。

誰かの才能を奪ってまで有名になりたくないし、そっちの願いも諦める」


そんなことを言われた。

おそらく軽い気持ちで俺を呼び出したんだろう。


魂の契約を取ることは出来なかったけど、男の善良さに触れて、

気持ちは明るかった。


「いや~、しかし。そろそろ契約を取らないとなぁ」

俺の魂の在庫は豊富とはいえない。


魂の在庫をすぐにでも増やしたいなら、人間に召喚されるのを待たなくてもいい。


欲望に餓えた人間をスコープで覗いて、探し出す。

見つけたら、その人間のところに行く。

そして人間をたぶらかす。


魔導書に自分の印が載っていないような、力のないセルパンはそんなふうにして魂の収集をしている。

むしろそっちのほうが多いのかもしれない。


あまりにも魂の在庫が減ってきたら、俺だって自分から動く必要がでてくるだろう。

でないと俺は弱っていき、やがて滅んでしまうのだ。


---------------


そんなことより。

有理になんて言おう。


有理に電話をした。

「もしもし?」

「あっ!洋平!いまどこ?なにが起きた!すごく怖かった」


そうだった。

有理はただでさえ怖がりなのに、俺が消えてどんなに怖かっただろう。


「ごめん。怖がらせて。でもたいしたことじゃないんだ」

「えっ?洋平、消えたよ。意味がわからない」

「有理、家に無事ついてる?」

「うん。寝るところ。だけど怖くて眠れないんだ!」


「大丈夫。有理には何も起きない。安心して眠って」

「なんなのか。説明して。教えてほしい」

「電話じゃ難しいよ。今度、説明する」


「洋平、無事なんだね」

「無事だよ。明日また、朝会おう?」

「うん......でも怖いなぁ」

「大丈夫だよ。俺が保証する」

「うー......」


有理は不安そうな声をだしたあと、電話を切った。


------------------------------


翌朝、駅で有理を待ち伏せしていると、彼女は小走りでやってきた。


「洋平がいる!よかった」

有理は興奮した様子で、俺の腕に触れる。

「ほんものだね?」


「急に消えたりしてごめん」

有理に謝る。


「それで昨日のことなんだけど......」

俺が言いかけると、

「大丈夫!あたし、分かったんだ!」

と有理が言い出した。


「えっ?分かったって。有理、どういうこと」


「うん。あたし、考えたよ。洋平は、超能力者だ」


「えっ?超能力者?」

予想しなかった有理の言葉に驚く。


「そうだ。洋平はあのとき瞬間移動した。

洋平は時間がないって言った。どこかへ行く用事があった」


「うーん。有理。たしかに瞬間移動なんだけど」

「やはり!ほかにもなにか、できる。

ものを動かす。人の心を読む?」


有理はハッとして俺を見ると、顔を赤くした。

「やめて!頭の中を覗かないで......」

と勝手に慌てだした。


「有理。俺に知られたくないこと、考えてるの?

なに考えてんだ?知りたくてたまらなくなってきたなぁ」

フザけて、有理の頭に手をかざしてみせた。


「やめて!無理だ」

有理は頭を抱えるようにして後ずさりした。

その顔は真剣そのものだった。


「はは!有理。可愛すぎ。心は読めないよ。安心して」

「ほんとに?」

有理は、ホッとしたような顔を俺に向けた。


「じゃあ洋平は瞬間移動だけ?」

有理がキラキラした目で俺の顔を見上げた。

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