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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
セルパン救出作戦
63/193

63_エレベーターの中で

「あなたは本当に信頼できる?裏切ったりしないかしら?」

「裏切るわけ無い」


道華は俺の首を絞めながら、壁際に追い詰めてきた。

服従の印の力だろうか。

恐怖で何も考えられない。


「ルイ。怯えた顔が可愛くてたまらない。拷問がよほどトラウマなのね?」

道華に頬を撫でられる。


彼女は首を絞めていた手をゆるめると自分の体を密着させてきた。


ゾッとして思わず、歯を食いしばった。

恐怖のあまり吐き気を感じる。

冷や汗が全身を覆い始めた。


「キスしなさい」

道華は言った。


「えっ」

「あたしにキスしなさい」

道華は冷酷な笑いを浮かべていた。


「痛めつけられるのは好きじゃないんだ。

だから道華とそういう関係にはなりたくないんだけど」


道華にこれ以上接近されたくない。

機嫌をそこねないように説得したつもりだった。

しかし彼女は甘くなかった。


「痛みには慣れる。私の言うことが聞けないの?

それなら、この話は無かったことにしましょう」


セルパン取引の内情を知ってしまった。

ここまできて自分の身の安全のために引き下がることは、もはや出来ない。

セルパンの仲間を助けないと俺は後悔し続けることになる。


道華の頬に震える手で触れた。

彼女の唇にそっとキスをする。


「そんなのじゃ満足できない」

道華はそう言うと、自分の頬に触れていた俺の手首をつかみ激しくキスをしてきた。

道華からは俺の苦手な線香の匂いがした。


「ん.....っ......」

壁に体を押し付けられ、荒々しくディープキスされる。

だまって耐えるしかなかった。


エレベーターがようやく駐車場の階に着いた。


車の前で道華が言う。

「どうしたの。早く車に乗りなさい」

「いや。用事があるから歩いて帰る」

俺はそう言うと、道華の返事をまたず、逃げるようにその場から離れた。


不審に思われただろう。

だが、もう限界だった。


駅でトイレに駆け込む。

便器に思い切り吐いた。

「ゲホッ、ゲホッ」

吐き気と冷や汗がすごい。


洗面所で顔を洗う。

鏡に映る洋平の顔を見た。

(今この瞬間にも苦しんでいる仲間を助けたい。

しかし今からこんなんで、俺にできるだろうか)


恐怖でほぼ、女の言いなりだった。

自分でもそれが分かっていた。


道華にせまられて、怖い思いをした。

不完全なものでも「服従の印」の強さを思い知った。

これが完全なものだったら。

俺は道華に言われるがまま車に乗るしか無かっただろう。


「きっとできる」

鏡の自分に言い聞かせる。


あの女に協力するフリをする。

道華とは二人きりにならないようにすれば、いい。


あの女もまさか、人前で俺のことを叩いたり引っ掻いたりしないだろう。

それに俺はカワタホール?なんたらの養子だから、手を出せないとも言っていた。


印は不完全なものだ。

きっと大丈夫。


----------------------


夜、家で一人で課題を解いていると、背後に気配を感じた。

振り向くとリザベルが立っていた。


「うわっ!驚いた。人間界では、玄関のチャイムをちゃんと鳴らして入って来いよ。

マナーだからな」


「ルイ!」

リザベルは突然、俺に抱きついた。

俺は慌ててリザベルを自分から引き離す。


「ダメだ!リザベルとは、キスとかそういうのはしないよ?」


「昼間のあなたを天界から見ていたのよ!

あの道華と言う女。あの女とはキスしていたわね。

しかもルイ。あなたともあろう人が人間の女におびていた。

なぜなの?

一体何が起きてるの?」


リザベルに見られていたのか。

まったくこの地上にはプライバシーはゼロなんだな。

ため息が出た。

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