表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
57/193

57_道元が味方につく

「驚いたな。魂ってほんとうにあるんだな?

お前らセルパンは、魂と引き換えに願いを叶えるんだ。

へぇ~」


俺は瞬に尋ねられて、セルパンについて軽く説明をした。


「瞬。お前はなにがあってもセルパンを呼び出したりするなよな。

魂を失うんだ。代償が大きすぎる」

「俺はそんなことしねーよ。自分の望みは自分の力で叶えないと楽しくないだろ」


そうだ。

だが、そのことを理解していない人間が多すぎる。


瞬はまっすぐで迷いがない。

非常に強い人間だ。


だがそんな瞬でも、まだ想像できないことがある。


人間の人生で時として起きる悲劇。

その悲劇から逃げたくて、どうにかして苦しみから目をそらしたくて

俺たちセルパンにすがる人間もいるのだということを。


たとえば有理がそうだった。


瞬がまた、タバコに火をつけた。

俺がにらむと

「吸い殻はちゃんと持って帰るから」

と、小さな容器を見せる。


「お前、魂を食べる魔物とは思えないな。

ゴミのポイ捨てにうるさいし、洋平を殺したことを謝罪するし」


「俺は仲間内でも変わり者だ」


しばらく黙っていた道元が口を開いた。

「姉ちゃんはお前のことを、あきらめていない。

お前のことがすごく好きみたいだ。

ばぁちゃんもお前を清めの檻の中で殺したくてウズウズしている。

でも俺は今この瞬間から、お前の味方につく」


「なぜだ。道元」


「お前はどうしようもなかった。

川田を殺したくて殺したわけじゃない。

それに俺は、川田を苦しめていたんだよな

イジメた罪は消えないけど」


道元は大きなため息をついた。


「死んでしまったらおしまいだ。

大事なひとが生きてるうちに言いたいことを伝えて、

後悔のない接しかたをしないといけない。

死者を蘇らせることは、誰にもできない」


俺がそう言うと、道元も瞬も黙り込んだ。


---------------------------------


「まだ話があるんだ」

俺は道元と瞬を順番に見た。

「えぇ?まだあんのか」

瞬が驚く。

「俺の頭はパンクしそうだ」


「大事な話だ。道元の母親は、セルパンに憑依されている」

「えっ?おふくろが?」

道元が目を見開く。


「ミーネっていう悪党のセルパンに憑依されてるんだ。

お母さんに、最近なにか変わったことなかった?」

道元のほうを見る。


「そんな。変わったことなんて全くないけど」

「たぶんそれは、お母さんの本来の魂と、うまくやってるんだろうな」


「疑われない程度に、お母さんを見張ってもらえると助かる。

変な動きがあれば、連絡がほしい。

言っておくが、絶対にミーネと対決はするな?命が危ない。お母さんとは、いつも通り接するんだ」


「わ、わかった。

けど何かの間違いじゃないか。どうしてお袋が。

いつもと全く変わらないんだけど」


「間違いない。俺は有理がさらわれた日、道元のお母さんに憑依したミーネと話したんだ」


瞬が俺に尋ねる。

「またややこしいことになってきたな。

ルイとは別のセルパンの登場だな?

そのミーネってやつは何が狙いなんだ?」


「それを話し出すと、また長くなると思う。

今日はもう帰らないとヤバい。

ウチの親が帰ってくるかもしれないんだ」

ゆかりと小夜子を二人きりにできなかった。


俺はゆっくりと立ち上がった。


瞬が帰ろうとする俺に声をかけた。

「お前をこれからなんと呼べば良い?ルイか?」


「洋平がいい」

俺はそう答えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ