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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
55/193

55_瞬と道元との会話

「道元が洋平と話したいって言ってる。

俺も立ち会っていいか」


土曜日の午後。

瞬から電話があった。


俺は真面目に学校の宿題をやっていた。

勉強は楽しかった。


「道元が。そうだな。話したいと思ってたんだ。

瞬もいてくれていい」


「そっか。じゃあ、いつも格闘技の練習する時間に、あの土手で」

瞬はそう言うと電話を切った。


----------------------------


河原に行くと、道元は草原に座っていて、瞬は立ったままタバコをふかして俺を待っていた。


「道元。お前の姉にひどい目に合わされた」

道元の隣に腰を下ろしながら言った。


「姉ちゃんは昔からああなんだよ。

何人も病院送りにしたことがある。でも警察に届けてもムダだ。もみ消される」

「ふぅん」


「姉ちゃんはまだお前を狙ってる。

いつもなら、そんなに一人の男に執着しないんだけどな。

よほどお前が気に入ったんだ。

でも大丈夫だ。

お前が、川田高次の息子だと知って、少し考え直したようだ」


「川田高次、父親だな。血の繋がった親ではないけど」

「そうだよ。お前の父親はカワタホールディングスの次期社長だって?

その息子が行方不明となればマズい。

お前になにかあれば、カワタ側と付き合いのある警察幹部や

政界の人間が動く可能性があるそうだ」


川田洋平の父親は人間界で、権力があるんだな。


「それで、結局、お前はセルパンなのか?」

道元がポツリと聞いた。

「真実を知りたいか?」


「まて、セルパンってなんなんだ?」

瞬が割って入った。

「瞬、信じがたいと思うけど」

瞬に説明した。


「俺はセルパンという魔物で、いまは人間に憑依しているんだ」

「なんだよそれ。お前、頭おかしいのか」


小声で呪文を唱えた。

俺の手の上に、蛇が現れる。

蛇は俺の腕に巻き付き、首の周りを這った。

「うわぁあああ!」

瞬は尻餅をついた。

「マジックか?」


「まぁ、そうだな。幻想と言うか、催眠みたいなものだ。

催眠にかかった者は、噛まれれば本当に毒が回って死ぬ。

俺は呪術がヘタクソなんだ。

武術なら得意なんだけどなぁ」


腕や首に巻き付く蛇を消した。


「マジでお前はセルパンなんだな!?」

道元は、突然、俺を草の上に押し倒した。

そして俺に馬乗りになると

「何の目的で川田の体に入ったんだよ?

川田を返せ!他の人間に憑依しろよ?」

そう言って、俺を殴ろうとした。


頭上のカラスが騒いだ。

「お前の仲間だろ!止めろ」

「もう止めてある。殴っていいぞ」


抵抗するつもりはなかった。

「いいぞ。俺を殴れ。川田洋平を死にいたらしめた罪は大きいと分かっている。

殴られることで、罪は消えないけど」

「なに?死!?」

道元は目を丸くする。


「か、川田はもういないのか?その体の中に?」

道元は俺の肩をゆさゆさと揺すった。

「道元。すまない。いないんだ」



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