53_4人で遊ぶ
「有理。覚えてる?サヨリーヌの占い」
放課後、有理と陽子、典明と4人で駅まで歩いていた。
「お前、初デートで占い行ったの。引くわ~!」
陽子がのけぞる。
「えっ?なんで?」
驚いて陽子にたずねる。
好きな女の未来を調べて安心しておきたいのは当然じゃないのか。
「なんでって。とにかくフツーのデートコースじゃないよな?」
陽子が有理のほうをみた。
「楽しかった」
有理はそう言ってくれた。
「女の子は占い好きだもんね?」
典明もウンウンとうなずく。
「サヨリーヌが言っていたふわふわの髪の毛の中年女!
もし現れたら注意して欲しいんだ......」
ミーネはきっとまだ有理を狙っている。
またさらわれたりしたら大変だ。
「分かったよ。洋平」
有理はそう言いながらも、首を傾げている。
なんとも不安だ。
有理にもゆかりのように、カラスの見守りをつけようかと本気で考える。
一番いいのは俺が四六時中、有理を見張ることだけど。
そうすると「キモストーカー」って言われるしなぁ。
「ねぇ!今日、4人でカラオケとか、ボウリングとか、どこかに行かない?」
典明が急に、良いことを言い出した。
「行きたい!賛成、賛成」
俺は典明と肩を組んで、叫んだ。
「どうする?有理」
陽子が有理の顔を覗き込む。
「いいよ。みんなで遊ぶ。最近なかった」
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大きな施設に来た。
テニスやバスケットボール、それにゲームなどができるらしい。
俺はみんなより下手くそだろうが、真似をすればなんとかなるだろう。
典明は陽子と一緒になにかのゲームを始めていた。
楽器を鳴らすゲームのようだった。
典明は俺と有理を二人きりにするために、気を使ったのかもしれない。
チャンスだった。
「有理!このゲームで遊ばない?」
俺は有理の腕を引っ張った。
ちょうど近くにあったゲームに適当に誘った。
「いいよ」
ゲームの入口には「悪魔の館」と書かれていた。
「悪魔の館......」
俺みたいな魔物が登場するんだろうか。
チョイスを間違えた気がするけど、まぁ仕方がない。
「怖そうだね」
怖がりの有理は、すでに不安そうだった。
二人で、薄暗く狭い機械の中に入る。
「これで悪魔を攻撃するのかな?」
俺は、銃のような形のものを操作してみた。
画面には、悪魔と思われるものが、うごめいている。
(人間の悪魔のイメージって、こんな感じなんだな......)
画面に現れる悪魔は、どちらかといえば地獄にいる下級の魔物たちに似ていた。
ため息が出る。
「洋平」
有理が深刻な声で俺を呼んだ。
「うん?」
「リザベルさんとどうなった」
「そうだ。そのこと、ちゃんと話してなかったよね」
俺は銃から手を離して、壁に寄りかかった。
薄暗いから、なんとなくリラックスして話せそうだった。
「リザベルとは......会わないっていうのは正直難しい。
なんでかっていうと、あっちが、俺のところに飛んできちゃうから。
グースとリザベルが学校に来たことあったよね?あんな感じで突然来ちゃうんだ」
有理が俺のことをじっとみているのを暗闇の中で感じた。
「だけど、もうあんなことにはならない。絶対に。
俺は有理のことだけが好きだから。
リザベルのことは、なんとも思ってない」
正直に話したつもりだった。
「うん」
有理はうつむいていた。
そのとき、画面から「ギャアァアアアア」と女の叫び声がした。
「うわぁ!」
有理は驚いて、俺に飛びついた。
俺は思わず有理を抱きしめた。
有理が腕の中に。
思わずぎゅっと抱きしめてしまった。
有理は見た目は少年のように痩せていて、髪の毛も短い。
だけど抱きしめると柔らかくて小さくて、女の子だった。
髪や体からは甘い匂いがした。
「有理......」




