表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
46/193

46_運命の介入の理由

「有理ちゃんは、そこで気を失っている道元くんを殺すはずだったのよね~?」

ミーネは、道元を指さした。


次は俺を指差すと言った。

「その運命をルイたんがねじまげた」


「お前どうしてそのことを知ってるんだ」

「有理ちゃんの純白の魂は、天界から見ていても目立つのよ。

彼女が、なぜあんなにきれいなのか不思議だったの。

マーヤに聞いたらルイたんがやったこと、全部教えてくれた」


マーヤめ。

どうせ、トカゲのしっぽとか鶏の足につられて、全部喋ったのだろう。


「有理ちゃんは人殺しの罪を背負い、その魂は薄汚れていくはずだった。

けど、ルイたんが、運命の介入をした。

だから、有理ちゃんの魂は、薄汚れずに純白のまま」


「それがどうした?」


「ルイたんは、純白で強いパワーの魂を手に入れるために、北条有理の運命を変えたのよね?」


「えっ?」


「すごく賢いやり方だと思うわ。ルイたんは有理ちゃんの魂の契約者。

このままいけば彼女の死後、強いパワーの魂が手に入るわね?」

ミーネは大きな声でキャハハハと笑った。


「ルイたーん。あたしのほうが強いのは分かってるよね。

痛めつけられたくなかったら、北条有理たんの魂をゆずって欲しい~の~

彼女の魂のパワーが手に入れば、絶大な魔力が得られるのよ」


魂の契約は、セルパン同士がお互い認め合えば、相手にゆずり渡すことができる。

「有理をゆずり渡すことなど、絶対にできない」


「そうだよね。人間に憑依してまで苦労してんだもんね。

そう簡単にゆずってくれないよね?」

ミーネは爪を噛んでいる。


「じゃあさ、しばらく清めの檻に入って、人間にこきつかわれてみて?

2年もすれば、ゆずり渡す気になると思うんだわ」


「何年経とうが、何をされようが俺の気持ちは変わらない」

ミーネをにらみつける。


俺は手をふりあげ、呪いの文言を唱える。

室内に熱風が撒き起こり、ミーネの上着がひるがえる。

ミーネの手に毒蛇が巻き付く。

俺の呪術だ。


「キャハハハ!かわいい、なんてかわいいの」

ミーネは、腕にからみつく蛇を見て喜んでいる。


ルイたん。200年生きたなら、もうワンランク上の魔術、使えなきゃ。

セルペリオールはどんな教育をしてんのかしらぁ?

あいつ、知ってる?ガキの頃、黒の沼にハマって死にそうになったのよ。

マヌケなんだよね~あたしは死ねば良いと思ってみてたんだけどぉ」


俺はさらに追加で蛇をミーネの体にはわせる。

「やだ。冷たくて気持ちいい」

ミーネは蛇に巻き付かれて喜んでいる。

「でも、そろそろウザいわね」

ミーネが手をかざすと、毒蛇に火がつく。

炎が燃え盛り、毒蛇は灰になって、ミーネの足元にパタパタと落ちた。


そのスキに俺は、ミーネのもとへ間合いを詰めた。

「魔術で負けるのは想定内。だがこれならどうだ」


ミーネのアゴに掌底で打撃を与えた。


ミーネはよろける。

続いてローキック、からの上段回し蹴り。


ミーネは上段をくらって、後ろに倒れた。


「痛い。もうやだ。泣きそうなんだけど。

暴力反対。パワハラ反対。

肉体を痛めつけても意味ないよ?」

「意味はある」

畳に尻餅をついたミーネの前に立ちはだかる。


後ろに回り、女の首を締め上げる。

「いやん」

ミーネが変な声を上げる。


「もう少しきつくシメれば10秒ほどで気を失うだろう。

そうしたら、お前をセルペリオールに引き渡してやる」


「ンゴホッ!小僧が。ざけんじゃねえぞ。

人間の肉体に閉じ込められてなきゃ、ンゴホッ!オメーなんか鼻くそ以下だ」

ミーネの声が急に低くなる。


俺に昏睡の魔法をかけようとするが、それは俺には効かない。

そんなものは、大抵のセルパンには無効。

そのことは、ミーネもわかっているはずだった。

ミーネはかなり焦っている。


ふいにミーネが、有理の方に手をかざす。

有理の周囲に炎が燃え盛る。

「う......ん」

有理が身をよじっている。


「やめろ!有理が目を覚ます」

目を覚ませば、彼女は炎を見て驚き、魔術にかかってしまうだろう。


「クソッタレ、セルペリオールに捕まるくらいなら純白の魂などどうでもいいわ。

いますぐ、あの女を焼き殺す」


目の前で有理が死んでしまったら俺は気が狂うだろう。

自分の命より、なにより有理が大事だった。


「......やめてくれ。たのむ」

ミーネを締め上げていた手をゆるめた。


ミーネは、腕を振り上げると俺の頭を思い切り殴った。


「ルイたーん。人間のもとで、しばらく働いてみてぇ。

そこから逃してほしかったら、有理たんの魂をゆずり渡す契約にサインをするんだよぅ?」


ミーネが俺の耳元でささやくのが聞こえた。


--------------------------------


そして気がついたら、俺は手足を拘束され、清めの檻に入れられていた。


ミーネは有理を無事に家に返してくれただろうか。

だが、ミーネの狙いが有理の魂なら、きっと返してくれただろう。


極上の魂を手に入れたいなら、途中でその持ち主を殺したりしてはいけない。

天寿を全うさせることが何よりも大切なのだ。


俺の目の前には残忍な笑いを浮かべた道華がいた。

道華は黒いムチの先を指でゆっくりと撫でている。


「可愛い顔してるのに、我慢強いのね。お前は最高だわ」

耳元でささやく。

鋭い棒のようなムチで、馬のように何度も叩かれる。


はぁ、はぁっ、はぁ、……、んっ、

冷たい汗が全身を覆い、呼吸は乱れていた。


髪を引っ張られ無理やり視線を合わせさせられる。

次の瞬間、ムチを振り下ろす。

道華の舌が耳や首筋を舐め、手が腹や胸をまさぐってくる。

噛み付く。頬を叩く。

そしてムチで打つ。


この女は楽しそうに、そんなことを繰り返していた。

俺は限界を感じはじめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ