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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
45/193

45_有理の魂を狙うミーネ

寺は、広大な敷地の中にあった。

道元は山門で俺を待ち構えていた。


「おい。なにか変なことするなよ」

道元が俺をにらむ。

「なにもしない。有理を返せ」


寺に足を踏み入れる。

かなり歴史ある寺のようだ。

読経が聞こえた気がして、寒気がした。

寺は苦手だった。


「どうしてこんなことした?有理は関係ないだろ」

「お前をおびき寄せるには仕方なかった」

「お前は誰かに操られているのか?」

道元に聞いた。


「はあっ?なんだそれ」

と道元は首を傾げる。

やはり道元は関係ないのか。

でもそれなら、なぜショッピングモールにセルパンの痕跡があったのか。


「お前がショッピングモールから有理を連れ去ったのか?」

「違う」

「じゃあ、誰が」

「そんなのどうでもいいだろ」


道元のあとをついていくと、寺の本堂の裏側にある小さな建物に案内された。

「この中に有理が?

もしいなかったり、有理に何かあれば、本堂に雷を落とすからな」

俺は道元をにらみつける。


道元は無言だった。


建物内の案内された部屋に入ると、有理が仰向けに倒れているのが見えた。

気を失っている。

「有理!」

有理のそばに駆け寄った。

「道元。有理はどうなってる?気を失っているだけなのか?」

「う......ん」

有理が小さくうめいた。


「よく分からん」

「俺は来たんだから、有理は家に返せよ?

俺のことを殴りたいなら、好きなだけ殴ればいい。抵抗しないから」


「殴りたいわけじゃない!俺はお前に、もとの川田洋平に戻って欲しいだけだ!」

道元は、俺に詰め寄った。

「川田の中に憑依したセルパンよ!出て行け」

「道元。よく聞け。川田洋平はもう......」


川田洋平はもう死んでいる。

それもお前の身代わりに死んだのだ。

そう言おうとしたときだった。


そのときスッとふすまが音もなく開き、中年の女が現れた。

色白でふわふわした髪の毛の中年の女だった。

サヨリーヌが言っていた女か!


女は道元の背後に立ち、素早く、道元の頭に手をかざした。


小声で呪文を唱える。

道元は気を失いその場に崩れ落ちた。

セルパンが使う昏睡の呪文だった。


「あっ、ルイたん?はじめまして!ミーネだよ。

ルイたんのマネをして人間に憑依してみたんだよ。

どうだぁ」


女は両手を広げて、くるりと一周、回ってみせた。


「どうだ......と言われてもな。

それよりルイたんと呼ぶな!」


有理をさらったのはミーネだったのか。

セルペリオールの言う通り、俺のごく近い人物に憑依していたんだ。


「お前は道元の母親に憑依したんだな?」

年齢からいって、道元の母親だろう。


ミーネは黙ってニヤニヤしている。

「いいなぁ、ルイたんは!あたしもどうせならカワユイ女子高生が良かったなぁ」

と言いながら、不気味に身をくねくねさせている。


甲高い声と独特のキャラクターに俺は戸惑った。

ミーネは冷酷な魔物だと聞いていたんだが。


「ミーネ。デスゾーンから逃げ出して、こんなところで何をしてる。

人間たちのセルパンの捕獲に、お前が加担しているというのは本当なのか」


「いやん。もう本題?

アイスブレイク必要じゃない?

あたしたち、初対面だよね?お互いの趣味の話とか。

あっ!あたし?あたしは今、韓流ドラマにハマってるよん。

そう言えばルイたん、登場人物の一人に似てるわぁ

主人公の女の子の幼馴染役なんだけどぉ」


「早く答えろ!」

有理が心配だった。

俺はミーネの態度にイライラしてきた。


「うわ。怖い。めっちゃ怖い。ルイたん、俺様な感じの子なの?

あたし、わりと俺様な人も好きだから大丈夫だけど。

あれっ、質問なんだっけ」


俺は頭を抱えた。

なんだ!こいつは。調子が狂う。

「だからっ、セルパンを捕まえて利用する一味の拠点を俺に教えろ!」


「ルイたん、ルイたん。今日は、そんなお話は、しないよ。

ルイたんと話したいのはぁ、そこで寝てる女の子の魂について......なの」


ミーネはキラキラした爪の人差し指を、有理に向けた。


「なに?有理はなんの関係もないだろ?」


「関係おおあり。むしろメインテーマ。

あたしは北条有理の魂が欲しいの。

ルイたぁん~ゆずってぇ。お願いっ」

ミーネは、俺に拝むようにお願いしてきた。


「有理の魂が欲しい?」

意外な話の展開に、驚いた。



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