表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
40/193

40_信じられない

羽織っていたシャツを脱がされて、びっくりした。

さらに下に着ているTシャツをまくりあげようとするリザベルの手をつかむ。


「リザベル。人間は外でこんなことしない」

「それなら、いますぐ一緒に天界へ戻ろう?

煉獄に堕ちたっていい。ルイと二人なら」

リザベルは懇願するように言った。


「リザベルすまないと思ってる。利用してばかりで」

「あなたは、あの人間に心を奪われてから変わってしまった。

前は、あたしたち恋人同士だった。きっと交わればあの頃の気持ちを、あなたも思い出すわ」

リザベルはそう言うと、俺をギュッと抱きしめた。


「ルイ。しばらく女を抱いてないでしょう。

あたしを愛してなくてもいいのよ?」

リザベルは俺の頬を両手でしっかりと掴んで激しいキスをした。


通行人の何人かが、チラチラとこちらを見ている。

とくに日本では、外でこういう行為をするのはマナー違反じゃなかったか。

「リザベル、離れて......」


そのとき視線を感じた。


離れた路上に、ゆかりと有理が一緒にいて、俺と目があったのだ。


「有理?どうしてここに?」

なぜ、ゆかりと一緒なんだ?


「私は帰るわね」

リザベルはため息を付きながら、その場を去っていった。

去り際、有理をにらみつけることを忘れなかった。


「あたしが、北条さんに連絡したの」

ゆかりが言った。

「どうして?」


「北条さんが、お兄ちゃんのことをどう思っているのか気になって」

ゆかりが俺をみあげて言う。


有理がいるので、俺のことを「ルイ」ではなく「お兄ちゃん」と呼んでいた。


「有理、これにはワケがあるんだ」

有理は下を向いて黙り込んでいた。


有理に最悪の場面を見られてしまった。


「リザベルとは前に付き合っていたんだけど、今は別れていて」


「いいんだよ」

不意に有理が口を開いた。


そう言うと、有理は、足を引きずりながら小走りになった。

「有理。違うんだ」

「足が悪くなければなぁ。早く走れるのに」

有理の目には涙が溜まっていた。


その目を見て、俺の胸は苦しくなった。

「有理、悪かった。俺は有理だけが好きだ」

「それは信じられない」


有理は足を引きずりながら精一杯の早歩きをしていた。

「私、どうして泣くんだろう。泣くなんて変だな」

有理の目から涙がポロポロとこぼれおちた。


自分の魂が砕け散るような、そんな苦しさを感じた。

「有理」

「洋平。来ないで。一人になりたい」

有理はそう言った。


「一人になりたい」

有理がそう言うので、それ以上追いかけるのを止めた。


「有理......」

嫌われてしまった。


「俺はバカだ」

ついこないだまでデートがうまくいって、喜んでいたのに、今は気分はどん底。

人間界にいると、気持ちの波が激しい。

歩道の真ん中にしゃがみこんでしまった。


「ルイ。大丈夫?ごめんなさい。私のせいだね?」

ゆかりが俺の肩に手をかける。

「ゆかりのせいじゃない。俺がだらしないんだ」


「北条さんは泣いてたね。

ルイのことが好きじゃなかったら、あんなに泣かないと思うよ?」

ゆかりが励ますように言う。


「そうかな。でも傷つけてしまった」

「とにかく帰ろうよ」


俺とゆかりは家へと向かった。


------------------------------------


翌朝、いつものように有理を駅で待ち伏せした。

だけど、有理は来なかった。

電車の時間を変えたようだった。


学校で話しかけても反応がない。

本格的に嫌われてしまったのだろうか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ