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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
39/193

39_アヤカは優秀な女

「アヤカさんは、外国のかたなの?でも日本のお名前よね」

小夜子は、リザベルのことをジロジロと眺め回した。

「フランス人の血が入ってます」

リザベルは、適当なことを言う。


「洋ちゃんから聞いてるけど、大学生なんですって?」

「はい。大東京大学です」

「優秀なのね」

小夜子の表情が少しゆるむ。

「私は、英語はもちろん、フランス語、スペイン語、ロシア語、他にもいくつか話せます」

(セルパンなのだから当然だろう)

俺は、リザベルの話をそばで黙って聞いていた。

リザベルは実際に、各国の言葉で、自己紹介をしてみせた。


意外なことに、小夜子は話すうちにリザベルに打ち解けてきていた。

リザベルは小夜子に呪いでもかけたか?


「まぁ、アヤカさんったら面白いのね。それに博識だわ」

リザベルが披露した雑学を聞いて、小夜子は喜んでいる。

(200年生きてるからな)


「洋平さんが大学に見学に来たときに知り合ったんです。洋平さんは高校生とは思えないくらい、知識が豊富で我々も舌を巻きました」


小夜子は息子を褒められて、かなり満足気にうなずいた。

リザベルはうまい。

世渡りがうますぎる。

それに人間界のことを良く知っていた。

いつの間に人間界について、こんなに知識を増やしていたんだろう。


「こんなに素敵な人が洋平にいるとはね。オホホ!

でも、まだ、恋人なんて早すぎると思うけど」

(なにが早すぎるだ?洋平はもう16歳だぞ)


「洋平さんとは真面目にお付き合いさせていただいております」

リザベルはそう言って頭を下げた。


「けっして、川田さんがご心配なさるような、そんな関係ではありません。

彼のことを大切に思っています」

リザベルは、最初から最後まできちんとしていた。

しっかり芝居を打ってくれたのだ。


「アヤカは勉強ひとすじで真面目なんだ!

俺もアヤカのことが好きだし、裏切るつもりはない。

だから、ゆかりのことは本当に妹としか思ってないし」


俺のほうが、言動が幼稚な気がしてきた。


「わかったわ」

小夜子はうなずいた。


------------------


3時間くらい話しただろうか。

「それでは。わたくし、明日の大学の準備がありますので」

と言ってアヤカは腰を上げた。

すっかりアカデミックな雰囲気を出していた。


「じゃあな、アヤカ」

俺が手を振ると、

「洋ちゃん、駅まで送って差し上げなさい」

小夜子がそう言った。

かなりアヤカのことが気に入ったようだ。


ゆかりは、「友達の家に行く」といって、家にいない。

ゆかりと小夜子が家に二人きりになることはない。


俺は「うん。そうだな」と言って、腰を上げた。


--------------------------------


川田家を出た途端だった。


「ふぅ!疲れたわ」

リザベルが、本性を表した。


「ルイ。あなた、人間界にいればいるほど、しがらみが強くなって、

こんな風に、どんどんややこしいことに巻き込まれるわよ?」


リザベルの言う通りだった。

切っても切れない人間関係が、俺の周囲にいくつも出来上がっていた。


「分かってる。だが、セルペリオールとの約束もあるし......」

「そうね。調査は進んでるの?」

「まったく進んでない」

「こんなことしている場合じゃないじゃない」


リザベルは長い赤毛をかきあげて、眉をピクリと動かした。

「私は頑張ったわ」

「う、うん。ありがとう。それじゃ、俺は家に戻る」

そう言って、家に戻ろうとすると、リザベルが俺の腕を引っ張った。


やっぱりそうきたか。


「ルイ。私は、あなたが欲しくてたまらないのよ。今この瞬間も」

リザベルは道端で俺に迫ってきた。


「俺とアヤカは変な関係ではないはずだ」

「洋平とアヤカでしょう?ルイとリザベルじゃないわ」


リザベルはいきなり路上で俺の服を脱がそうとした。

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