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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
35/193

35_歪んだ土地

サヨリーヌは俺の手を握ったまま、眉間にしわを寄せて考え込んでいた。

しばらく沈黙が続く。


「これは何でしょう」

サヨリーヌはポツリとつぶやいた。

「灰色の空に、赤い土、真っ白な木が所々に生えている」

マズい。

天界の光景だ。


「あなたの魂は、なんですか?これは見たことがない。

純粋で無邪気だけど、魂の疲労が激しい

……あなたは、なぜこんなに疲れているんです」


俺は慌てて、手を引っ込めた。

「もういい」


「川田さん、やっぱり不思議な人ですね?

連れてきた彼女も、すごい人だけど」

サヨリーヌはそんなことを言う。


「彼女ではない。ちがう」

有理が慌てて言う。


「そうなんですか?とてもいい相性に視えましたけど」

サヨリーヌが今回の占いで一番良いことを言う。


「そろそろ帰る。サヨリーヌありがとう」

占いの料金は俺がスマホ決済で済ませた。


俺と有理は「サヨリーヌの占いの館」を出た。

「あぁ。占い。びっくりだ。お金払うよ」

有理が、ニコニコした顔で言う。

「いいよ。大丈夫」

「どうして」

俺は小夜子から、多額の小遣いをもらっていた。

だがほとんど使うことがなかった。


「あの人の占いは100%当たるからな。

色白のふわふわした髪の毛の女を見たら、有理、注意してくれよ」

「注意するよ」

有理は不安そうに俺を見た。


-------------------------


「有理、次も俺の行きたいところに付き合ってくれる?」

「うん。いいよ」

「ありがとう。次は普通の店だけど」


細い路地の奥、地下へ降りる階段を指さした。

「この下にある店なんだけど」


「暗い。行くの。この下へ?」

有理はまた不安そうな顔をする。


有理は下に降りる階段の手前で立ち止まった。

「怖い。この下。なにか怖いよ?」

有理はサヨリーヌの占いの館も怖がっていた。

けっこうな怖がりみたいだ。


天界からスコープで覗いてるだけでは分からなかった。

有理は、人のためなら勇気を出せるけど、ふだんは臆病で怖がりなんだ。

新たな発見だった。


「怖くないよ?土日のひまなときに、よく来てるんだ。

典明も連れて来たことがあるんだよ」


地下一階の店は、「暗黒世界」という店だ。

「暗黒世界......」

有理は、店名をみて怯えている。


「暗黒世界」

有理が、不安そうに俺を見上げる。

「ただの飲食店だよ。

たしかに、この土地は忌まわしい。

でも強い悪霊はいないようだから大丈夫」


俺は有理を安心させようと思い説明した。

「悪霊......?」

有理は目をぱちくりさせていた。


この場所は、もともと古い精神病院の跡地だと俺は感じている。

狂人の無数の叫びが聞こえるからだ。

浄化の呪文では、解消できないほどの歪んだ土地。

マーヤが10人集まらないと、正常な土地に戻せないと思えるほどの禍々しさ。


俺は悪しき存在だから、ついついそういう場所に引き寄せられてしまう。


ある日、吸い込まれるように階段を下った。

すると、なかなかおもしろい体験ができたのだ。


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