29_2か月で30キロ痩せた
あっという間に月日が経っていった。
小夜子は週末は家にいることが多いのだが、月曜日になるとまた
「仕事だ」と言ってどこかへ行った。
小夜子は各地で講演会を開くような著名人らしい。
小夜子が家にいる間、ゆかりと小夜子が二人きりにならないように常に気を張っていた。
だから、小夜子が仕事に行くと、俺はホッとした。
3度ほど、小夜子の虐待を止めた。
絶対にゆかりに手をあげないよう俺はしっかりと見張っていた。
とりあえず、ゆかりの北海道行きは保留となっている。
俺が絶対に阻止するから安心しろ、とゆかりには伝えていた。
道元はあれ以来、俺に絡んでこなくなった。
俺の本気の怒りに触れた。
それにカラスにも襲われ、さすがに気味悪く感じたのだろう。
道元と俺の争いもこれで終わりか?
そう思っていた。
だが、違ったようだ。
道元はしつこい性格だった。
やつは、虎視眈々とチャンスを狙っていたのだ。
俺は道元の寺に閉じ込められ、苦難を味わうことになる。
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セルペリオールに命じられた調査は全く進展がなかった。
だが、ダイエット計画だけは順調だった。
食事は最小限。
毎朝のトレーニングには、ゆかりもついてくるようになっていた。
カラスに餌を上げ、呪われた土地の浄化を行う。
浄化の呪文をゆかりにも教えた。
俺がトレーニングをしている間、ゆかりは浄化を行ってくれた。
ゆかりは優れた呪術者になれる素質があった。
洋平に憑依して2ヶ月。
30キロのダイエットに成功していた。
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「有理、おはよう!」
俺は駅で毎朝、有理を待ち伏せしていた。
「おはよ~。毎朝会う!びっくり」
「気づいた?俺が毎朝、有理を待ち伏せしているんだよ」
そう言うと陽子が
「こいつ、ストーカーだ」
と真顔で突っ込む。
有理と二人きりになりたいのだが、いつもこの陽子に邪魔をされるのだ。
俺は痩せてから、女にモテはじめていた。
洋平は痩せれば、背も高いし見た目が良かったようだ。
アゴのラインはスッキリし、腹も凹んだ。
毎日の筋トレの成果で、引き締まった体。
そして俺は、明るい性格だった。
「川田くんだ!」
「川田くん、うーっす」
「ねえ、川田くん、今度一緒に駅前のカフェに行こう?
新作のフラペチーノが出たって」
俺が廊下を歩くと、女たちが群がってきた。
「美奈おはよう。元気そうじゃん」
「おはよう、春菜!なにか悩んでる?いつもより暗いけど」
「沙羅、フラペ......なんだって?甘いものは食べないけどコーヒーなら飲むよ」
そんな風に、適当に人間の女の相手をした。
だが俺は彼女たちにハッキリ言っていた。
「俺はデートはしない。有理だけが好きだから」
だが彼女たちは別にかまわないらしかった。
「そういうところが良い」
「川田くんと話すとなぜか元気が出る」
「みているだけでいい~」
そんなことを口々にいった。
リザベルはそんな俺を、時々スコープで覗いているらしい。
「ルイは人間の女にもモテるのね。
あの女ども、呪ってやろうかしら。......やだ、冗談よ。
人間の女なんてすぐ年をとるじゃない。もともと呪われているようなものよ」




