25_ソウルメイトである可能性
キッチンで水をくんでいた。
そのとき背後に人の気配を感じた。
ゆかりがいつの間に、背後に立っていた。
俺はゆかりの姿にびっくりした。
「ゆかり!なにやってんだ」
ゆかりは包丁を持って、俺の背後に立っていたのだ。
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「ゆかり、俺を殺したかったの」
震えるゆかりの手から、包丁をとりあげた。
ゆかりは、まだ寝巻きのままだった。
ソファに座らせた。
「私......。お兄ちゃんに会いたい」
ゆかりはポロポロと涙を流した。
「あなたを殺せばお兄ちゃんが戻ってくるかもしれないと思って」
「それは無理だよ。洋平の魂がここに戻ってくることは、あり得ない」
俺はゆかりの両肩に手をおいて、優しく説明した。
「死んでしまったら、強く思い残すことが無い限り、その場を離れ天に召される」
「あなたに、そんなこと分かるの?」
ゆかりは疑うように俺を見た。
「分かる」
「お兄ちゃんは、強く思い残すことがあると思うよ?私のこと気になってると思う」
「うーん。そうだな」
だが俺の感じるところでは、洋平の魂は周囲になかった。
洋平はおそらく、次の生を受けるための準備にはいっているだろう。
「じゃあ、私が死んだら、お兄ちゃんに会える?」
「ゆかり、それも難しいと思うよ」
ツインソウルや、ツインフレームなど、深い絆で結ばれていない限り、天界や来世で再び会うことは難しい。
洋平とゆかりにそれほどのつながりがあるかどうか、それは俺にもわからなかった。
だが二人で死を計画するようなネガティブな関係なら、ソウルメイトである可能性は低い。
ソウルメイト同士は、魂の質を高め合う関係のはずだからだ。
「ゆかり、どうして死にたいと考えていたんだ」
ゆかりの目を覗き込んだ。
「あなたに言いたくない」
「そうか。言わなくて良いよ。俺と出かけないか。カラスは好き?」
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ゆかりは、しぶしぶ俺に着いてきた。
「昨日、助けてくれたカラスたちのこと?あなたカラスとも友達?」
「カラスは友達じゃないかな」
昨日、道元や瞬のことを攻撃したカラスたちのことを、ゆかりは覚えていた。
俺のいつものトレーニング場にゆかりを連れてきた。
なんとなく、ゆかりは陽の光を浴びて、もっと自然と触れ合うべきだと思った。
丁度、頭上にカラスの親玉がいた。
「こっちにこい」
俺は合図する。
親玉がふわりと肩に乗った。
「わぁ!どういうこと?」
ゆかりはギョッとしている。
カラスはあまり可愛いものではない。
ゆかりとのミゾがさらに深まるか?
そう思ったのだが。
「かわいい!でもこのカラス、クチバシに傷が」
「なにかと闘ったんだろう。ゆかりも肩に乗せてみるか?」
「いいの?つつかれたりしない?」
俺は親玉に合図した。
親玉は、ゆかりの肩に乗った。
「こいつはもう、ゆかりのことを覚えた。
ピンチになったら助けに来てくれる」




