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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
人間に憑依
11/193

11_いじめ

俺の机には、文字が書き込まれていた。

よく見ると「死ね」「デブ」「キモい」などだった。


おそらく呪いの一種だと感じた。


死ねとデブは意味がわかった。

でも、キモいってなんだろう。

陽子にもそう言われたと思う。


有理が俺の机のそばに立って言う。

「誰がやった」

大声でそう言い、クラスを見回す。

みんなは黙って下を向く。


「笹山?きっと笹山だ」

有理が道元に詰め寄る。


「おい、北条~。川田のこと名前で呼び捨てか?

俺のことも道元って呼んで?」

道元がニヤニヤと笑う。


陽子は俺の隣の席だった。

「おい!陽子。教えてくれ。キモいとはどういう意味だ」

陽子は目を丸くして俺を見る。

「あんたみたいなやつのことだよ」

と小声で言う。


「よくわからない。特別ってことかなぁ」

俺はふかくうなづいた。

陽子は軽蔑したような表情を見せた。


「授業を始めるぞ」

中年の男が入ってきて、そんな宣言をする。

どうやら学生の本分、学業が始まるようだった。


窓の外ではカラスの親玉が俺を見守っていた。

あいつ、思ったよりヒマみたいだ。


----------------------------


体育の時間だった。

みなが何処かへ移動する。


俺はマジックを片手に道元の机に近づいた。

今なら誰も見ていない。


「目には目を。歯には歯を」と昔から言う。

やられたらやり返すのが普通だ。

机に呪いを書くというのが「いじめ」なら、俺も道元をいじめようと思った。


でも俺は「呪い」のプロだ。

本格的な呪いになってしまうのは避けられない。

いたずら書きレベルでは済まないだろう。


だけど仕方がないと思う。

向こうが仕掛けてきたことなんだから。


マジックで、すばやくラテン語の呪いの言葉を書き連ねる。

それから、不運が起きやすくなる絵をミニサイズでたくさん書いておいた。

やつは今後しばらくアンラッキーに見舞われやすくなる。


「ハハハ」と笑いながら、道元の机から離れようとすると

「川田くん、大丈夫なの?」

そう話しかける声がした。

振り向くと、痩せて小さな男が俺をみあげていた。


川田は太っているが、背もまぁまぁ、ある。

おそらく180近いのではないか。

その男は、160センチくらいだと思われた。


「誰?」

「えっ、小林だよ?前はよく話したじゃん......」

「小林。下の名前は?」

「えっ、典明のりあきだけど」

「小林典明。ふうん」


「そんなことよりさ。笹山くんの机に落書きしてたよね?大丈夫なの」

「いじめ返しだよ」

「い、いじめ返しって。タダじゃ済まないよ?」

典明は不安そうに俺を見ていた。


「典明は、俺を心配してくれてるんだ?」

典明のオーラは穏やかで、あたたかかった。


「心配っていうか。もう見てられないっていうか」

「体育の時間だっけ?どこに行けばいいんだろう。教えてくれる?」

俺は典明の肩を叩いた。


-------------------


体育の時間が終わり、みんな教室に戻る。


道元が自分の机を見て大声を出す。

「なんだよこれ!?」

周囲のみんなも、道元の机に目をやった。

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