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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
連れ去られたセルパンの救出
106/193

106_服従の印の解除と救出と

夏休みというやつが始まっていた。


学校は休みで、有理とは毎日会えない。

毎晩、彼女に電話はしていたけど、顔を見れないのがつらい。


----------------------------------------


俺は暗黒世界で働いていた。

昼すぎに瞬とナナがやってきた。


瞬とナナは二人並んでカウンター席に座った。


「お前、今日は河原での訓練に来ないで、ここでバイトかよ」

「そうだよ。だって暑いからさぁ。

それに俺は、毎朝5時には河原でトレーニングを終えてる。

そうだ、次から朝、訓練しよう?」

「あー、朝は無理だわ」

瞬が、首をふる。

「あたしは、いつでも大丈夫よ」

ナナがにっこりと笑う。


「そういえばセルパンの救出はどうなってるの?」


「うん。それなんだけど。ちょっと進展があった」

「おっ?なにか分かったのか」


「服従の印の支配者に近づけそうなんだ。印の解除ができるかもしれない」

「どういうことだ?」

瞬が身を乗り出した。


-----------------------------


「川田洋平の義理の父親がドイツから一時的に戻ってきたんだ」

「へえ。そうなん。お前の父親はいままで、家にいなかったんだ?」

「うん。いなかった。父親の川田高次は、妹のゆかりにとっては実の父親なんだ。

だから、ゆかりはすごく嬉しそうにしてるけど」


「ふうん、それで」

瞬が、早く話せと先をうながす。


「それでさ。日本にいる間、うちの父親が、政治家や起業家なんかがあつまるパーティに出席するんだ」

「パーティ?」

「そう。そのパーティの参加者名を父親のパソコンをのぞいたときに偶然見た。

なんだか、見覚えのある名前があるなぁって思って、目に入ったんだよ。

子どもをさらった服従の印の支配者がパーティに参加するんだ」


「おぉ!それはチャンスだな」

「パーティには家族も参加できるらしくて。

俺は父親に頼み込んでそのパーティに参加することにした」


「支配者に近づくチャンスね」

ナナが目を輝かせる。


「だけどよ。服従の印の解除ができるのは......」

「そうだ。有理だけだ」


「パーティにガールフレンドを連れて行っていいか、父親に聞いたんだ。

そしたら構わないと言われた。

俺は有理とパーティに参加して印の解除にうごく。

瞬とナナは、支配者の自宅を調査して、囚われの少年セルパンを探してほしい」


瞬とナナは、俺の話を聞いてうなづいた。

------------------------------


「ナナは最近、しょっちゅう人間界に降りてくるね?」

俺がナナにそう言うと、ナナはにっこりと笑った。

「だって瞬のことが好きなんだもの」


気づいていたけど。

ナナはやっぱり瞬に心を奪われている。

セルパンは滅多に恋に落ちることはない。

だが一度恋に落ちるともう相手を離さない。


ナナはよりによって人間の瞬に心を奪われた。

レザールがこのことを知ったら、どうなるだろう。

瞬が氷漬けにされるのは見たくない。

俺はためいきをついた。


「ナナ。レザールはこのこと、知ってるの?」

「言ってないわ。瞬が氷漬けにされたら困るもの」

「だよなぁ」

俺はマグカップを片手に、丸椅子に座った。


「瞬は、不良だし遊び人だよ?こないだも一晩中女と遊んだって言ってたし。

それにケンカ好きだし勉強はまったくしない。タバコのポイ捨てはするし酒も飲む」

俺は瞬の目の前でヤツの悪口を並べ立てた。

瞬はだまって、肩をすくめていた。

全部事実だから反論はできないはずだ。


「あたしはそんな瞬が好きなのよ。他の女と遊んでいるのは悲しいけど。

いずれあたしだけのものにしてみせるわ」

予想通り、ナナはまったく動じなかった。

セルパンがだれかを愛すると、こうなってしまう。


「うーん。俺も人間の有理に心を奪われている。

だから、ナナに説教するような立場じゃないけどさ」

「そうよ。ルイ!あたしたちは仲間だわ」

ナナが突然、立ち上がり俺に握手を求める。

俺はナナの手を握り返した。


「おい、変な仲間意識、もつなよな」

瞬が呆れたような声を出した。



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