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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
連れ去られたセルパンの救出
105/193

105_【ナナ】瞬との訓練

瞬は真剣な顔で、あたしのつくった炎を自分の手のひらに乗せていた。

その顔は、うっとりするほどかっこいい。

あたしは最近、なにをしていても瞬のことばかり考えている。


あたしたちは、いつもの河原で二人だけで、呪術に抵抗する訓練をしていた。

ルイはいなかった。


「瞬。あたし、あなたのこと愛してる」

「アチッ!くそっ!」

瞬はあたしの言葉を聞いて集中が途切れてしまったのか、炎の熱さを感じてしまった。


「あと少しで新記録だったのに」

瞬はスマホのタイマーを止めた。

「1分15秒。炎にさわれた」

瞬はあたしの方を見て、にやりと笑った。


「それで?俺のこと愛してるって?」

瞬は川のほうに視線をやった。

「そうよ。なんども言ってるけど」

「ナナ。セルパンってのは、恋愛におぼれやすいのか?」

「えっ?なに?どういうこと?」


「だって、洋平も北条有理のこと、異常に好きじゃん。

リザベルは洋平のことが忘れられないみたいで、洋平に何を言われても諦めようとしない。

あとお前の両親、レザールとミーネか。べったりじゃねえか」


「あたしたちセルパンは、滅多に恋に落ちないわ。だけど惚れたら生涯、愛する人と添い遂げようとがんばるの。人間みたいに移り気じゃないのよ?」


「ナナ。悪いんだけど、俺は、ひとりの女をずっと好きになったことがない」

「瞬......」

「ごめん。ナナとはさ、出会ったばっかだし、好きかどうかと言われるとよくわかんねー」


瞬はあたしのことをじっと見た。

「ナナは、男が10人いたら全員が振り返るくらい、スゲー可愛いよ。

だけど、大好きとか愛してるとか言われると、ちょっとわかんねーな」


「分からなくていい。可愛いって思ってくれるなら、あたしを好きにして良いのよ」

あたしは瞬の手を取った。

そして彼の手を自分の頬に触れさせた。


「お前は、俺を愛してるって言うけど。

自分のことを愛してない男に触られて、嬉しいのか」

「嬉しいわ。あたしは愛してるから」

「うーん。普通だったら俺だって、お前みたいな女に言い寄られたら、即、手えだすんだけど」

「じゃあ、そうしていいのよ」

「なんでだか、わかんないんだけど、お前に関しては、それは間違ってる気がする」


瞬は、何かを考え込んで黙り込んでしまった。


「あたしがレザールの娘だから?早瀬賢治を目の前で氷漬けにした」

「あぁ~~、あれはヤバかったよな」

「あたしがレザールの娘だから、それで怖いのね?」

「ちげーよ。この話と、お前の親とは何の関係もないよ?」


「きっと関係あるわ!あなたは怖いのね」

「なに決めつけてんだよ。お前の親のことなんて、どうして俺が気にすんだ?」

「じゃあどうして?」

「なんで、そう答えをすぐに欲しがるんだよ」


瞬がイライラし始めた。

「俺は帰る!」

「まって。瞬。怒らないでよ」

「怒ってねーよ。また来週、訓練しよう?

今度は俺がお前に護身を教える」

「よかった。そうね。もうしつこくしたりしないから」


あたしは瞬に振り向いてほしかった。

だけど、彼はあたしのことを愛してくれていなかった。

もっと彼と二人で時間を過ごす必要があるのかもしれない。


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