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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
連れ去られたセルパンの救出
101/193

101_支配

「有理は関係ない。俺は大人しく捕まるから有理は解放しろ」

「この子にも、あなたにも用があるのよ」


「いやだ!んっ、うっ、ゴホッ!」

有理はナイフを突きつけられたまま、無理やり何かを飲まされていた。


「おい!有理に何を飲ませた」

「睡眠薬よ。念のため、あなたも薬を飲んでちょうだい」


道華が俺に水を渡した。

「飲みなさい。さぁ」

「こんなもの、飲まない」

服従の印の効力で、俺は道華の言いなりだった。

言葉とは裏腹に、言われるがまま水が口に運ばれる。

変な味がした。薬が入っているのだろう。


「お花が」

有理は道路に落とした花束にむかって、懸命に手を伸ばそうとした。

だが男たちに背中を押されて拾うことは出来なかった。


車の後部に乗せられた。

「どこへ行く。どうなってる?」

有理は不安そうに目をキョロキョロさせている。

俺は安心させようと、有理のほうへ手を伸ばそうとした。

そこで記憶が無くなる。


気がつくと、ホテルのような部屋で目覚めた。


俺は椅子に縛り付けられ、有理はベッドに寝かされている。


目の前には道華が立っていた。


----------------------------------


「ルイ。あたしを裏切ったわね。

でも驚きはしなかった。

あたし、あなたのこと、最初から信じてなかった。

オモチャにして、遊びたかっただけ」


「俺がお前を裏切るのは、最初から分かっていたってことか」

「あたりまえじゃない。前も言ったでしょ。あなたは表情に出やすい。

嘘はつけない。わかりやすいのよ。一生懸命、冷酷なふりをして演技していたのはとても可愛かったわ」


道華は俺の両肩に手をおき、目をのぞき込んできた。


「でも、ミーネの裏切りは予想できなかったわ。

そしてもちろん、ミーネとあなたが手を組むのも予想できなかった。

あなたたちは、対立しているように見えたから。

そこは油断していた」


「それで......どうするつもりだ!有理に手を出したら許さない」


道華はベッドで仰向けに寝ている有理に視線をやった。

「彼女のことを愛してるのも、すぐに分かったわ。

障害者みたいだけど。あなたにとっては特別な子なのね」

「......っ」


「あなたを拉致して、いじめて、楽しむのは簡単。

あなたは、服従の印で私に支配されているもの。

いくらでも、あたしの好きにできるはずよね?」


道華は自分の手の甲を、俺にみせた。

たしかに印は完成していた。


不完全だったはずの印が完成してしまった。

俺は道華の命令に逆らえないし、彼女を傷つけることはできない。

彼女の奴隷になったのだ。


道華は指先で俺の頬をゆっくりと撫でた。

恐怖で鳥肌が立った。

「口を開けなさい」

彼女は、俺の口の中に自分の指を入れた。

彼女の指が俺の前歯にゆっくりと触れた。


「あたしの指を噛みちぎる?そうすれば逃げられるかも」

「......」

道華を上目遣いでにらんだ。

口に力をこめようとした。


だが道華の指を噛みちぎることは、できなかった。

(彼女に危害を加えてはいけない)

そう考えている自分がいた。


「ふうん。やっぱりあたしに攻撃はできないようね。

わたしもセルパンを従えるのは初めて。

どの程度まで命令が有効なのか、手探り状態なの。

あなたにいろいろ試してみるのが、楽しみで仕方がない」


道華は口から指を抜き取ると、俺の顔を乱暴につかんで激しいキスをしてきた。

ふっ......はっ、はぁっ

恐怖で心臓が爆発しそうだった。


道華は俺の髪をひっぱり自分のほうに顔を向かせた。

「ルイ。とても会いたかったのよ?」

「俺は二度と会いたくなかった」

奴隷だが、口ごたえはできるようだった。


髪をつかんだまま、道華は俺を殴った。

「ふふふ。無抵抗で支配されているあなたを、いたぶるのは簡単過ぎる。

わたしは、あなたをもっと、深く傷つけたいの。

だから愛する彼女をあなたの目の前で痛めつけてあげる。

それが一番、あなたが傷つくことだから」


「ちがう。その子のことは別に愛してなんかない」

「ルイ。何度言ったら分かるの。あなたの嘘はすぐに分かる。

こうしてみると、きれいな顔の子ね。あたし、女の子も好きなのよ」

道華はベッドに腰掛けると、気を失っている有理の髪に触れた。


「やめろ!有理に触るな」


道華をにらみつける。

すると道華はうれしそうに笑った。

「そうよ。その表情が見たかったの!

恐怖に耐える顔も可愛いけど、やっぱりルイはその表情が良いわ」

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