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幕間:暗躍する者

 目を開く。

 空気に触れただけで直観的に分かった。

 俺が前に居た場所とは別の世界。

 見知った気配を感じ、後ろにチラリと視線を向ければ仲間達が居た。

 どうやら一緒に飛ばされて来たらしい。


 俺と共に異世界マーシナリを駆け抜けた仲間達だ。

 足元を見れば、大仰な模様が描かれている。

 魔法陣か。

 間に居た世界とは別の異世界、そして魔法陣。

 それを確認し、目の前に平伏す者達を一瞥して推測を口にする。


「お前等が、この俺を召喚したのか?」

「はい! 勇者様!」


 俺が勇者であることを知っている。

 よく物語にある勇者を呼び寄せるための儀式ってワケか……。


「私達の世界に魔王復活の危機が迫っています。どうかお力を貸して頂きたい」

「この世界に勇者は居ないのか?」

「……い、いえ。所在が分からず、発見を待つのは愚の骨頂と思った次第で……」


 歯切れが悪い。

 何か腹黒い思惑があると見た。

 目の前に居る奴の恰好はどう見ても王だ。

 その他も煌びやかで気品に溢れた西洋風の恰好をしている。

 壁に掲げられた大仰なマークは国家の印と推測する。


 一早くに魔王を倒し、他国を出し抜いて世界を牛耳りたい。

 どうせ、その程度の下らない考えがあるんだろうな。

 まあ、いいか。

 そういう腹黒い奴は嫌いじゃない。

 俺達が利用するにしても、非常に扱い易い手駒となりそうだ。


「いいぜ。俺達が魔王を倒してやるよ」

「あっ、有難きお言葉!!」


 平服する有象無象。

 その中で俺達に対して、忌避の目を向ける奴がいた。

 ソイツは口を開くと、


「以前の世界でどのような活躍をされたのかお聞きしたい」


 良い質問だ。

 俺は正直に答えた。


「俺達の世界にも魔王が居た」

「ならば、勇者である貴方が打ち滅ぼして世界を救ったと?」

「その通り、後ろに居る仲間達と共にな」


 俺の言葉を受け、まだ納得出来ないというような表情。

 その直感は正しい。

 俺は確かに世界を救った。

 転生者である俺は、その世界が愛しくて、愛しくてしょうがなかった。

 そして、その世界が余りにも愛おしすぎて……。


 壊しちまったよ。

 人も自然も動物も全てに等しく死を。

 だって、しょうがねぇ。

 女神に貰った力を振るうための、魔王が居なくなっちまった。

 後は手の内に収めたおもちゃで遊ぶしかないだろうよ。


 力を手にした俺の内にこんなにも激しい破壊衝動があるなんてな。

 そして、愚かな神がいるらしい。

 名ばかりの勇者である俺に新しいおもちゃをプレゼントしてくれたんだからな。


 大魔導士。

 バトルマスター。

 踊り子。

 吟遊詩人。

 勇者。


 俺達五人と、召還前の異世界マーシナリに存在した力でこの世界を遊び尽くす。

 そう、この"マキナ"の力を利用してな……。

 

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