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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
宇宙奪還編
46/52

救出5

「敵の大型レーザーが発射されました!」


艦から裏切り者が出た直後にこの悪報か……

アンドロメダの舵は取れず、敵の領域内でただの鉄の塊として浮いているだけだ。

(救出はしたが、これでは我々の負けか……)

「か、艦長……発射したレーザーの威力がどんどん弱まり……本艦まで届きません!」

「何!?」

ブリッジにいた者達から安堵の息が聞こえる。

「しかし、なぜ?……」

『それは俺たちに感謝してもらいたいな。』

通信が入る。

デルタ部隊の……

「仙道か!」

『艦長さん達が救出に行ってる間に大型レーザー砲のエネルギー放出部の周りを破壊しておいただけだ。無茶して撃つから、内部が吹っ飛んだんだよ。』

やるな……というか頼りになりすぎる。

「良くやった、本当にありがとう!」

そこで仙道からの通信は切れる。

取り敢えず、即死だけは免れた。

『おいおい、あんたらまだ勝ってないんだけど。』

再びミカエルの声が艦内に響く。

「おい、早く元のアンドロメダに戻すんだ!出ないと貴様、タダでは済まんぞ!」

エドワードが怒りの声をあげる。

そう、アンドロメダが動かない限りこちらは負ける。

『断るね。君達で頑張ってみてよ。まぁアンドロメダのシステムは世界でただ2人が作ったものだ。1人は僕。もう1人は今頃地球にいるんだろうね。僕らが2年かけた物を君達が簡単に作れるとは思わないけどね。』

船の簡単な整備程度ならわかるが、システムに関してはまるでわからない。

『それに僕は今、アンドロメダに居ない。艦内を探しても無駄だよ。』

「なぜこんなことを……」

『なぜって?』

ふふっと笑う声が聞こえる。

『僕ら地球人だけでは技術の発展には限界がある。だが彼らには僕らだけではたどり着けない技術がある。ただそれだけさ。僕らエンジニアはね……』

すーっと息をつぎ言った。

『技術の進歩に見切りが付く場所には居たくないんだよ。』

「それが動機が……」

確かに今の地球では人工の元素も含め138個が発見されているが、自由に扱える技術が確立されているかといえばそんなことは無い。

数多くの事故を引き起こし、未だにその処理に追われている。

技術の進歩スピードは200年前に比べ格段に落ち、各国は資源の確保で争いを続ける。

そんな地球に彼は見切りをつけたのか……

「カルダノ戦艦8機、本艦に接近しています!」

どうせ死ぬなら、彼に伝えたいことがある。

「お前の考えはよく分かる。そして、カルダノの元に行けば今より優れた技術を生み出せるという目的のもとで君が行動したということもね。だけど、これだけは覚えておいてくれ……」

「カルダノ戦艦、本艦への射程圏内に入った模様!」

クルー達が諦めの心を抱き始める。

「君が望んだ未来像はそんなものかい?それなら、君の発展は既に止まっている。」

その時だった。

艦内の電力が復帰した。

「っ⁉︎」

一同が驚く。

「か、艦内の電力システムが戻りました!全機能順次復帰しています!」

「何が起きた?!」

エドワードも目を点にし、辺りを見回す。

『おい、何をした⁉︎』

ミカエル自身が驚いているようだ。

(彼が直したんじゃないのか……)

「艦長、こちら輸送艇のタリスです。先ほど、救助した中の1人が『自分がシステムを作った人間だ。』と言い出し、アンドロメダのシステムを言い当てていたので、システムへの外部アクセスを実行しました。緊急と見て、許可をいただくのが遅くなり申し訳有りません!」




「てっちゃん、やったじゃん!」

スピーカーから声が聞こえ始めた後、てっちゃんは「思い出した!」と言ってクルーの人にすぐにシステムにアクセス可能な端末を貸してもらえないか?と交渉を始めた。

向こうのクルーの人も慌てた様子で、初めは相手にしていなかったが、少しした後タブレットを貸してくれた。

「それにしても驚いたぜ!お前が宇宙船のシステム作りに関わってたなんて!」

金作が感嘆の声をあげる。

「4年連続でトップのハッカーだった時に、連合から声がかかってね。」

確かにハッキング対策としては1位の人に頼むのが良いのかもしれない。

その本人が裏切らなければ、の話だが……

「取り敢えず、元々のシステムには近づけてあるよ。細部までの確認はしてないから、これからチェックしていくけど。全く誰がこんなメンドくさい罠を敷き詰めたんだろうね?」

どうやら、システムを単に戻そうとするとトラップに引っかかってしまうらしい。

まぁ、本人にはすべてお見通しのようだが……




「よし、これで動かせるな。全攻撃デッキ、すぐに撃ち始めてくれ。」

カルダノが戦艦で攻撃を始めたのは、アンドロメダの機能が回復し始めた頃だった。

「艦長、仕掛けた爆弾が間も無く爆発します!」

エドワードが設置した爆弾の起爆が近いようだ。

「今動けるファイター隊は?」

「本艦の護衛に着くガンマ隊とデルタ隊です。」

「両部隊に連絡。設置した爆弾が起爆した直後にカルダノ艦に攻撃を始めるよう伝えてくれ。」

「了解。」

その時、ッダァァァンという音とともにアンドロメダが揺れる。

「右舷第25番デッキ的ミサイル被弾!」

次いで3発のミサイルが当たる。

「敵ファイター一斉に本艦に向かってきます!」

(一気に畳み掛けてくるな。)

「ファイターに砲撃を集中、敵大型艦は後回し……」

「ファイターじゃなく敵の大型艦に狙いを定めて!」

隣から結衣が口を挟んでくる。

「いや、それだと先にこっちが落ちるから、ファイターを狙うのが先だよ。」

初めてだ。結衣が横から別の命令を出してくるのは……

「大丈夫。もうそろそろだから!」

「もうそろそろって何が?……」


「艦長!本艦後方よりスリップストリーム反応検知しました!」


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