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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
宇宙奪還編
41/52

手料理2

「エドワード、ちょっといいか?」

結衣がパンケーキを皆に配った後、エドワードを呼ぶ。

「どうかされましたか?」

「いや、結衣から言われたことなんだけどね、ちょっと頼みたいことがあるんだけど……」

「何でしょうか?」




「おーい、隊長さん!結衣ちゃんからパンケーキの差し入れだよ〜!」

アンドロメダに戻ると各部隊あてにパンケーキが運ばれてきていた。

「ん?」

パンケーキの乗った皿の下に紙が挟まっているのが見える。中には、

『毒入りはどれだ‼︎』

と書かれている。

(止めてくれよ、毒なんか入れるんじゃねぇよ。)

ふと顔を上げると、隊員がこっちを見てくる。

「何だよ。」

すると皆口を揃えて、

「「「毒味して!」」」

ふざけんな。



「あ、ミカエル〜!こんなことで何してるの〜?」

みんなと別れてから彼を探していた。

「え、えぇ。調整していただけですよ。少しでも万全の状態にしておこうと思いまして。」

彼がいたのは原子炉の配電盤の前だった。

「ふーん。あ、パンケーキ届いた⁉︎」

「はい、届きましたよ〜。美味しかったです、とても。」

にこやかに返事を返される。

「お、それは良かった〜!んじゃ、またね〜!」

「はい〜。」

互いに笑顔を見せながら別れた。



「ここからカルダノの基地と思われる場所まで59万キロ、このまま小惑星帯を抜け、さらわれた人たちの救出に向かう。」

「通常航行ですか?」

「あぁ、基地の近くは塵が多い。そのせいで今まで地球から観測できなかったんだろうけど、今ここからでもレーダーで観測できないということは、俺たちの身を隠しながら進むにはかなり有利だと思う。それにスリップストリームでは小惑星帯を抜ける前にアンドロメダが被害を受けるからね。」

各部署の隊長格を全員集め、会議を開いた。

「救出班は前に言った通り、艦長、私、ヴィーナス医師、それから私の部下4名です。」

エドワードが付け足す。

「α、β部隊はカルダノ艦隊との攻撃、γ部隊は本艦の援護、デルタ部隊は救出の時に使う輸送艦の援護を頼む。近づき次第スモーク弾で視界とレーダーを無効化してくれ。その間に侵入する。」

「了解」

ブリッジから連絡が入ったのは、その時だった。

『艦長!カルダノの基地が望遠レンズにより、確認されました!』

「分かった、すぐ行く。……聞いたな?総員戦闘配置につけ!」

「「「了解!」」」

すぐに交戦準備を開始し艦内は慌ただしさを取り戻した。各ファイター部隊はそれぞれの戦闘機に向かい、救出班は輸送艇に物資を運び始めた。




「さぁてと、始めますかね……」

誰にも気づかれないよう、『その時』を待つ。

暗闇の中で1人の人間が動き始めた。



「カルダノ基地をスキャンした結果、4回建てで横長の建造物である事が分かった。そして、おそらく資材を運ぶためのものであろうハッチの位置も分かった。そこから侵入し基地内にいると思われる人たちの捜索及び救出をする。」

輸送艦に乗り全員を集めて最後のミーティングを開く。

「艦長の命令により私とこいつら4人は基地に爆弾を設置する。」

「爆弾が爆発するまで2時間にセットしてある。それまでに出られなければ俺たちも死ぬ。そのことだけは分かっていてくれ。」

「「「了解」」」

「さぁ、行こうか。」




「輸送艇、αからδまでの4ファイター部隊出撃しました!」

「ほいほーい。そのまま報告続けてねー」

「結衣ちゃん、いつ私たちは攻撃するの?」

「結衣たちはまだ攻撃しないよ〜。悠くん達が救出が終わるまで、出来るだけファイター部隊で時間を稼ぎたいしー。それに、アンドロメダが出ると、カルダノの攻撃対象が一点に集まって、すぐやられるからまだ待機ね!」

それでも、いつまでもここにはいられないけどね。

出来るだけ早くお願いね……




「敵ファイター部隊前方及び10時方向から来ます!」

「δ部隊、処理頼めるか?」

『了解』

俺たちの乗る輸送艦の前を進んでいたδ部隊が急上昇するファイターと(宇宙空間で上、というものはないが…)その場に残るファイターの二手に分かれる。その直後、輸送艦の前にいるファイターから、スモーク弾が放たれ、周辺の視界が遮られる。

『取り敢えずこれで近づく様子は感知されないでしょうから、進んでください。』

「よし、今のうちに進もう。」

スモーク弾のおかげで上手く相手の視界とレーダーを避けながら近くにあった小惑星の裏に回ることができた。

「艦長、ハッチは現在開いています。侵入するなら今かと……」

「分かった、エドワード。すぐに向かおう。」




『日本チーム、優勝おめでとうございます‼︎』

『『『っしゃぁぁぁ!!』』』

ヘッドホンで繋いであるボイスチャットが音割れをするほど、全員が喜びをあらわにしていた。

『今回、日本チームは決勝戦でそれまでと全く異なった戦術できました!保守的な戦い方では無く、全員での一斉突撃によって、相手の出鼻を挫きました!しかし、途中流石は前回チャンピオンチーム、そこから立て直し、一時はキル数が同点にまで追い上げました!日本チームの数が減っていく中、最後に決めたのはこの男、世界ランク1位…………Y.Umemiya333! 彼の活躍には眼を見張るものがありました!……』

『……う、、、凌‼︎』

「んぅぅ……」

眼を開くと同時に大量の光が目に入って来て、思わず顔をしかめる。

「お、やっと気づいたか!」

「よかった、りょうちゃんも無事だ!」

ようやく慣れてくるとそこには友、金作そして、てっちゃんの顔があった。

「ここは……」

目の前にあるのは真っ白な壁、美少女、綾月さんの倒れた体があった。


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