手料理1
「カルダノの大型艦が引いていきますが追いますか?」
「いや、敵の応援が来るかもしれないからまだ危険だ。それよりベテルギウスの援護に回ろう。」
「了解。」
ファイター部隊の活躍もあり、カルダノの戦艦を2機撃破し、大砲持ちにもある程度被害を与えた。取り敢えずは十分だろう。
「艦長、各ファイター部隊収容を終えました。」
「分かった。シリウスとベテルギウスに通信を繋いでくれ。」
「繋がりました。」
『ベテルギウスの主砲部分の修理にはまだ時間がかかりそうだ。先にシリウスと行ってくれ。』
『そうしよう!と言いたいところだがうちの艦も被害が出ているんだよ。だからうちのファイター部隊をアンドロメダのデッキに積んで先に向かっててくれ。』
どっちも来れないか……
「分かった。先にカルダノに、向かうことにするよ。人命がかかってるしね。」
拐われた人たちを一刻も早く救わなければならない。
「というわけだ。みんなすぐ準備をしてくれ!」
「艦長。」
「ん、どうかした?」
エドワード副長が呼んでくる。
「先ほど、あの小娘は連絡が入る前に戦闘がすぐ終わることを予期していましたが、あれは一体……」
「あぁ、あれね。会議の時言ったじゃん、結衣は俺よりもずっと指揮官に向いてるって。」
訝しげな顔をしている。
「みんなぁ、パンケーキ作ったから少し休んでぇ」
そう言って結衣はパンケーキを乗せた皿を何枚も持ってきた。
「結衣、運ぶのに運搬用ドローンを使うなよ、、、」
「だって誰も使うまでなかったからさー。まぁいいから食べて食べてー。」
そう言って一枚差し出してくる。
「みんなの分もあるからね〜!」
一応まだカルダノとの決着は付いてないんだけど……
隣にいたエドワードが先に一口食べる。
「え……美味い⁉︎」
まずいと思っていたらしく、目を丸くしている。
「あったりまえじゃーん!まずいと思ってたの〜?」
すると周りで食べたクルーからも
「美味しい!」
「旨っ!」
「久々に美味いもん食った!」
「ホントに結衣ちゃん作ったの?」
という声が聞こえる。
大きさはパンケーキを4等分したくらいで、香りはゆずの甘酸っぱい感じ。味はほんのり甘く、ふわふわした食感もおいしさを際立たせている。
「もちろんだよーん。あ、これをかけても美味しいかも!」
そう言って唯一はジャムの容器をエドワードに渡した。
「何ですか、これは?」
「いいからかけるかける〜!」
言われた通りエドワードはジャムをかける。色はオレンジ色だ。
「ん?これさっきのみかんか?」
「さすが悠くん!でもそれだけじゃなくて、、、」
「これ、野菜の香りもしますね!」
エドワードが言う。
「むむ!エドワードくん、なかなかの舌をお持ちのようだね!」
確かにほうれん草やナスの香りもする。いや、もっと多くの野菜があるかもしれない。
「みんなにはまだまだ頑張ってもらわなくちゃいけないからね〜!少しでも栄養を付けるんだ‼︎おーーーっ!」
なんか1人で掛け声をかけ始めたぞ。
「これ、まだ余ってますか?」
クルーの1人が話しかける。
「失礼な!余りじゃなくておかわりがあるんだよっ!さぁおかわりが欲しい奴取りに来いっ!」
その瞬間、ドドドドーッと人が唯一の周りに群がり始めた。
「相変わらずだな、、、」
その様子を見て呟いた。




