外縁部での衝突2
「敵艦、射程圏内に入りました!」
この重力のない空間で射程などあるのかという人がいるかもしれない。
確かにミサイルなどは速度が速いままどこまでも行くように思える。
しかし、陸では地面というものすごく大きな質量を持ったものがあるから感じないが、宇宙では砲台自身が発砲と同時に後ろに動くためある程度発射時のスピードを抑えなければならない。結果として、出せるスピードの中で交戦時に使い物になる距離というのが出てくるわけだ。
「大型砲、レーザー砲で攻撃を開始。向かってくる敵ファイターに対しては小型砲で応戦するんだ。」
「各攻撃デッキに伝えます!」
「艦長、敵艦から非常に大きな熱エネルギーを探知しました!」
「どの艦だ?」
「真ん中の大型の砲台を搭載している機体です。」
ベテルギウスと同じレーザーか⁉︎だとしたら……
「急いでシリウスとベテルギウスに連絡を!」
「了……」
「敵艦から巨大なレーザー砲が発射されました!」
遅かったか……
「どの艦に向かって発射されたんだ?」
「ペテルギウスです!被弾箇所は右舷の小型砲台。」
「レーザー砲じゃないだけマシか……」
「艦長、シリウスから連絡です!」
『梅宮、こっちはペテルギウスの修復と援護をするから早めに片付けてくれ。』
「分かった。もう少し耐えてくれ。」
近づいてくる敵にはファイター隊でなんとかなるが、遠距離からのレーザー砲にはどうしようもない。
「α、β両スペースファイター分隊が敵ファイター隊を撃破しました!」
「よし、γ分隊も敵艦攻撃に向かわせろ。」
2発目を撃たせる前にケリをつけるしかない。
それを成し遂げるにはδ分隊をどのタイミングで行かせるかがキーか。
「隊長ぉー。俺ら全然戦えないじゃないっすかぁ。どこが『戦わせてやるから』ですかぁ。うそつきぃ!」
「そんな事言ったってしょうがないだろうが。アンドロメダの防衛としか言われてないんだから……」
あの艦長め、完全に忘れてるな。
あとで問いただしてやる。
「そ、それにしても凄かったですね、先ほどのレーザー。大丈夫でしょうか?」
「直撃じゃなけりゃ大丈夫だろう。」
とりあえず小惑星の影に入るようにしているからミサイル攻撃の心配はない。
(確か向こうにはシリウスもいるは……ず⁉︎)
「δ分隊引き返すぞ!お待ちかねの戦闘だ!」
小惑星の影に隠れているのはペテルギウスだけじゃなかった。
すぐ近くの小惑星にもファイターが隠れていたとは……
「っ⁉︎」
向こうも気づいたようでこちらに向かってくる。
「さぁ野郎ども、狩って来い!」
「待ちくたびれたぜ!」
「なんなら突っ込んだっていいからなー。」
「話の分かる隊長さんでじゃないか!」
言うや否や、一機、また一機と敵部隊に突っ込んでいく。
いや、マジで突っ込んでいくのか!
冗談のつもりだったんだが…
「死ぬぞ、お前ら……」




