戦闘前夜
「艦長、出艦準備完了しました!」
ブリッジに入るとエドワード副長から声が掛けられる。
「分かった、他の2機と連絡を繋いでくれ。」
「了解。」
1分と経たない間に2機と連絡がついた。
「エルザ、ジン、そっちはどう?」
『こっちはもう行けるよ。』
『貴様とは違う。』
へ、元気いいね〜。これから死ぬかもしれないってのに。
「よし、じゃあ目標座標エッジワースカイパーベルト内沿部宇宙角45度、地球上で北緯30度東経130度。全システムに異常はないな?」
「はい、全システム正常です。」
エドワードからの返事を聞き、改めてこれから戦争なのだと自覚する。
「よし、ではスリップストリーム開始。」
アンドロメダ全体には負荷ががかっているはずだが、艦は警報音を鳴らすことなく最高速で移動を開始する。ただし人間側には影響が出て軽度の吐き気と後ろへ飛ばされるような衝撃を感じる。
「さぁ、行くぞ!」
「提督、新型戦艦3機は無事スリップストリームに入りました。」
「うむ。」
そう言ってデスクに置いてあるハーブティーを飲む。
(あの方はそこまで一体どこまで読んでいるのだろうか……)
カップを置き、現状を伝えに来た隊員に1つの命令を下す。
「本部全体に伝達してくれ。総司令官から指令が来たと。」
(頼むぞ、3人とも……)
スリップストリーム中に各スペースファイター部隊の隊長と作戦の確認を行う。
奪還作戦として考えたのは、俺が輸送艦に乗り敵本陣に乗り込む。α・β部隊はその間に前線の維持、γ部隊がアンドロメダの援護、連れ去られた人間の救助に向かう護送にδ部隊をつける。
「とまぁこんな感じだけど、質問ある?」
会議室で各部隊の隊長を集め皆に伝える。
ちなみにうちの艦はミサイルなどを担当する攻撃管理部、原子炉を担当する推進力管理部、スペースファイターの整備及び使用する戦闘機管理部、負傷者の治療にあたる衛生部に分かれている。
「δ(デルタ)部隊は艦長たちが乗り込んでいる間、適当にカルダノを狩ってていいっすか?」
δ分隊の仙道からだ。
「うちの部隊の奴らが戦いたい人間ばかりでマジ今言うこと聞かないんで、早く戦わせたいんすわ。」
「いいよ、だけど俺らが戻る頃にはまた護衛しに来てね〜。」
δ分隊ってそんな濃いメンツ揃ってたっけ?後でメンバーを見ておかないと。
「他になんかある?」
「誰が艦長についていくんでしょうか?」
今度はエドワードからだ。
「あ、言い忘れてた。奪還に行くメンバーは僕、副長のエドワード、負傷者がいるかもしれないからヴィーナス、それからエドワードの部下からクルーを7人連れてきて欲しいんだけど……いいかな?」
「それは構いませんが……アンドロメダはどなたが指揮を取るんです?」
「ん?そういやそうだねぇ……アンドロメダは結衣に指揮を頼むか。」
「「「え⁉︎」」」
全員の視線が集まる。
「ん?だってあいつ俺より指揮能力高いよ?」




