18年前③
「武器庫からブリッジ、装填完了しました。」
そう連絡が入ったのはその後間もなくだった。
「射程圏内に入り次第発射しろ。照準は敵艦の真ん中にある一回り大きい船だ。射程圏内にあり次第、船体を安定させるために全方向にスラスターを噴射するんだ。」
「了解!」
次いでプロキオンに連絡を取る。
『よぉ、戦闘開始したか?』
「それ以上こっちには来るな!それだけだ。」
『まさかお前も危機なのか?』
「いや『EtO』を使う。爆発は計算上での数字は出ているが、定かでない。だから念のため離れておけ。」
『おいおい、本気か?上は許したのか?』
「あぁ一応許しは得た。」
『だが、あいつらの事だから何をするかわからんぞ?』
「はぁー、今はこれしかないだろ?それ以外に方法が無い。じゃあ、切るぞ?」
『分かった、ならぶちかましてやれ!』
通信を切る。
「艦長、敵艦の射程圏内に入りました!」
「船体安定が完了!」
「敵艦砲台こちらに照準を合わせてきています。」
「よし、撃たせる前に先にかましてやれ!」
「了解‼︎」
いかに船体を安定させていると言っても発射の衝撃で床が揺れ、クルー全員が静まり返る。
「爆発まで3……2……1……」
カウントダウンからほんの少し遅れて目を開けられないほどの光が差し込んでくる。
再び目を開いたときにはそこには残骸のみが広がっていた。
「状況報告を頼む……」
「て、敵艦全機撃沈……爆発の衝撃が来ます!」
言うや否や非常に大きな揺れが足に伝わる。それと同時に照明がチラつく。
「やったのか……?」
「うぉぉぉぉぉ‼︎」
「っっしゃぁぁぁ‼︎」
衝撃が去ったあと、艦内は歓声で溢れかえった。
これで終わりだ、そう思っていた……
「そんな、嘘ですよね……」
連合本部に戻るとすぐに大統領など多くの関係者全員が出席する会議に呼ばれた。
「本当だ、あの爆発の影響で地球に被害が出ている。全世界に被害は及ぶが特にひどかったのは、ヨーロッパだ。『EtO』に含まれていた未知の放射線の影響で死傷者が多数報告されている。」
「まさか……?」
「『EtO』の発射については君の独断だとい聞く。よって君には重い処分が課せられるだろう。」
「ま、待ってください!本部役員の皆さんの許可は得まし……」
「全く何を言っているんだね、私らは知らんよ……なぁ?」
委員長が話を遮り、それに同調して役員が頷く。
「そ……んな……」
「それでは詳しい処分は後ほど言い渡す。以上で緊急会議を終了する。」
弁解の余地もなく会議は終了した。
(役員が裏切った……)
その事実を知っているのは、俺とマッケンジーだけだった。




