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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
宇宙奪還編
28/52

作戦会議1

「私は会議のために本部に行く艦長を送りに来たんだが、君もなぜ一緒に来てるんだ?」

今、連合本部に向かうためアンドロメダから輸送艇で移動している。運転はエドワードが務めているが、まぁ毎度のごとく結衣と喧嘩をしている。

「別にいたっていいじゃニャいか!」

「ダメですよ、早く出て行きなさい!」

「大体そんにゃだから彼女が出来ないんだよ!」

「な、あなたに言われるようなことじゃないでしょ!」

「まぁまぁ二人とも……」

「「どっちの味方なの(ですか)‼︎」」

「い、いやぁ……」

もう、ここから離れたい……



曖昧に返事をしてその場をやり過ごしてからしばらくして、連合本部に着いた。

連合本部……それは地球を回る人工衛星だ。大きさは半径二キロの球体とかなり大きい。その周りにも土星のように輪型のリングを持っている。

入れる者は連合関係者及び各政府の首相もしくは大統領のみだ。

今回の会議は恐らくカルダノの殲滅についてだろう。人類は十八年間をかけて戦艦を新たに作り、それなりの戦力を構築してきた。

先の攻撃を受けて上も、今だ、と判断したんだろう。

「梅宮艦長。」

本部に入って会議室を目指して歩いていると、後ろから声をかけられる。

「す、スティーブ提督殿……」

スティーブ=ルイス、連合にただ一人存在する提督の役職に就いた男で、年は俺の七つ上だ。ちなみに俺は今年で二十三になる。

「何を後ずさりしている。俺がそんなに嫌いか。まぁいい。今回の貴様の判断についてこのあとの会議で話が出るだろう。覚悟しておけ。」

「は?」

「上官に『は?』とは何だ。貴様のそういう態度を上も見ていることをしっかりと自覚しろ。」

「は、はぁ。」

今回の俺の判断についてって、なんかあったか?

「それから……その男から離れるようお願いします。」

急に敬語になって話してくる。まぁ俺にではなく、袖にくっついている結衣にだが。

「やだもーーん!早くどっか行って!」

「はっ!失礼いたしました!」

こいつには甘いみたいだ。よしあいつの弱点を見つけた。

足早に去っていくスティーブ提督をみてニヤリと笑った。

「艦長。」

「ん?」

エドワードから別れ際に声をかけられる。

「いるかどうかは分かりませんが、ロッキー審査官にだけは注意してください。彼は本来ならアンドロメダの艦長になっている人物で、今は艦長に恨みを抱いているかもしれませんので。」

「忠告ありがとう。ま、気をつけるさ。」




会議が開かれるのは中央会議室というところだった。

収容人数は二十名とやや少ないものの、集まるのは国連の総長、宇宙連合の提督と審査官そして常務理事長、各戦艦の艦長、宇宙物理学に精通する科学者などの面々が揃う。今回は宇宙連合の総司令官は来ないようだが…

そんな中、円形で階段状に段々と上へ上がっていく部屋の中央に今立たされている。

「戦艦アンドロメダ艦長、梅宮悠介。貴殿には、いくつかの質問がある。正直に答えること。」

白髪がチラホラ生えている審査官から質問が飛んでくる。

「はい。」

いつもは腕にひっついている結衣も『チョット用事があるから。』と言って何処かへ行ってしまい、孤立無援の状態になっている。

「貴殿は自身の戦艦に所属する一分隊にプロキオン艦長セオルド=マッコイの救助に向かわせたと聞くが本当か?」

「?」

何を咎めているのか分からない。

「はい、、私が命令しました。」

すると議会内がざわつく。

「いったい、それの何が問題で?」

「その命令だよ、梅宮艦長。」

そう左斜め上に座っているスティーブ提督が話す。

「君はプロキオンが爆発寸前にあるにもかかわらず、救助に向かわせた。つまり一歩間違えれば部下を死なせる状況下にあったわけだ。そこが、今回の一つの議題だ。」

「はぁ……」

「証人も呼んでいる。……入りたまえ。」

常任理事のジイさんが扉の方へ声をかける。

「失礼します。」

そう言って入ってきたのは、仙道ら五名。あの時プロキオンに救助のため入った奴らだ。

「君たちは彼の命令で救助に行った、相違ないかね?」

「はい。」

「船内の状況はどんな感じだった?」

「爆発の影響であちこち火事が起こり、天井板が落ちているところもありました。」

すると、「おぉぉ」とか「なんと…」などという意味もない感嘆の声が上がる。

「と言うことはかなり危険な状況だった、と言うわけだね?」

「はい。」

「その事について、何か艦長から謝罪などは受けたかい?」

「いいえ。」

「そういうわけだ。君は部下を死なせるような場所へ行かせ、そう火事が多発していたそうじゃ無いか。君は部下の命を託されている、という責務があることを理解しているのかい?この責任はどうとる?」

なるほど、この会議の意味がやっとわかった。ロッキー審査官は俺を艦から降ろしたいのか。

「あの……」

一斉に声の方へ視線が移る。

「俺たち船員は確かに艦長に命を預けてます。だけどそれは艦長にとっても同じで、俺らは艦長に命を預けられてる。でなきゃ戦艦なんてデカいものを動かせるわけ無いじゃ無いですか。それならセオルド艦長を救助に行くために俺らの命が危険にさらされるのは別に問題無いはずだ。それに……」

一息スーッと吸い、

「セオルド艦長は『仲間は絶対に見捨てるな』って言ってましたし。」

ふっ、と思わず笑みがこぼれる。

「ついでに私からも一言あるので反論させてもらいますけど、元より連合に入って戦艦に乗った時から俺たちは命を捨てる覚悟ができている。あんた達みたいに権力に溺れて日々すごしてるわけじゃないんだ。そこのところを勘違いしないで頂きたい。」

「き、貴様らそんな態度をしていいと思っているのか‼︎」

ロッキー審査官が顔を真っ赤にして怒鳴る。

「だったら、あんたは人が目の前で死にかかっていても自分の命が大事だから助けないって言うんですか?そんな奴は連合には要らない。」

「気は晴れたか、梅宮艦長?」

スティーブ提督から声が掛かる。

こいつも審査官と同じような考えなのか?、と思ったが顔つきからしてどうやら違うらしい。

「えぇ。」

「では本題に入るぞ。」

クルッとロッキー審査官の顔がスティーブ提督を向く。

「ま、待つんだ提督。まだ……」

「まだ話が終わっていないと?元より貴方がしたいというからこれほど大事な時に無駄な時間を割いてやったんだ。もううるさいから出てってくれるか?」

「貴様、若造のくせにいい気になってるんじゃないぞ!」

「あんたの方こそ年上だからっていい気になってんじゃねぇよ。」

年下からまたもや命令口調で話しかけられたことが相当頭にきたらしい。机を一蹴して、そのまま会議室を出て行った。

「さぁ静かになったところで本題に入る。」

会議室の空気が冷たくなる。

「これより、カルダノの本拠地へと攻撃の作戦会議を開始する。」






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