先制攻撃2
「スペースファイター全機出撃完了しました!」
「分かった。あ、シリウスとベテルギウスに通信を入れてくれる?」
新型戦艦シリウスとベテルギウス。両方このアンドロメダと同じタイミングで作られた戦艦だ。アンドロメダは接近して攻撃するのに対して、シリウスは戦闘機を大量に積んだ空母、ベテルギウスは巨大なレーザー砲を積んだ共に遠距離で戦うタイプの戦艦だ。
「通信繋ぎました。」
『忙しいんだから、こんな時に連絡入れてこないでよ、もう。』
『どうかしたか、梅宮?』
「ごめん二人とも。でさエルザそっちはもう発射できそう?」
エルザは戦艦ベテルギウスの艦長だ。同期で史上初の女艦長って事で騒がれてた。
『あと三分待って。まだエネルギーが足りないの。』
「分かった、頼むよ。ジン、何機今発進させてる?」
『こっちは80機出し終わったとこだよ。まだいるか?』
ジンも同期。こいつは少し短気だから周りの奴らとはあまり良い関係を築いていないらしいが、頭の良さで艦長の座までたどり着いたという天才だ。
「いや、もう十分だろう。ありがとう。」
『あぁ。』
『じゃ、頑張って‼︎』
そこで通信が切れた。
「見えてきた。」
ファイターを操縦する手が汗で滲む。
「全員、俺に続いて編隊を組め。」
「「「了解!」」」
続いてアンドロメダに連絡を入れる。
「δ分隊仙道からアンドロメダ、戦艦プロキオンとアンタレスに到着。」
『δ分隊は被害が大きいプロキオンの援護に向かって下さい。』
「了解。」
被害が大きいのか……確かにプロキオンは攻撃、防衛の能力は低いがこうも容易くやられるか?
「隊長、三時の方向からカルダノと思われるファイターを五機確認!」
「よし、迎え撃つぞ!」
(私の人生もここまでか……)
クルーを全員脱出させ、ただ一人となったプロキオンの操縦席に座る。
奴らのミサイルで全ての攻撃デッキがやられ、現在の攻撃能力は皆無。
だが奴らの数発のミサイルで何故あれほどの威力が出たのかは分かった。それを音声メッセージとして録音する。
「こちらプロキオン艦長、セオルドだ。相手のミサイルの中に特別強力なものがあることが分かった。
元々どういう弾丸の形状だったかはわからないが弾丸に衝撃が加わると、さらに中で爆発するようだ。その回数は一つの弾丸で三回……」
バァァァァン、という音と共に床が大きく揺れ、体を持っていかれる。
「すまない……もう、この艦は持ちそうにない。」
−δ分隊に連絡をする直前−
「艦長!射程圏内にカルダノのファイター、そして大型戦艦が入りました!」
「大型砲、レーザー砲で迎撃してくれ。」
エドワードに伝える。
「トンプソン、進路は変えるな。プロキオンの前に出るんだ。」
「了解です、艦長。」
その時だった。
スクリーン上に一筋の光が通るのが見えた。
「艦長、ベテルギウスからレーザー砲が発射されました!カルダノ艦六隻撃沈!」
うぉぉぉぉ、という喜びの声が上がる。
今まで使ったことのない武器だったからどの程度の威力かわからなかったが、これほどの効力を発揮するとは……
「よし、残りの一隻も……」
「艦長、最後の一隻からミサイルが五発プロキオンに向かって放たれました!」
たった五発なら、耐えられるだろう。
そう思った自分が愚かだった……




