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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
宇宙奪還編
24/52

始まりの時2

船内を歩きながら各部署の説明をする。だけど物凄い視線を後ろから感じる。

(やっぱ誤解してるよな〜)

絶対してる。睨みつけてるぜ、あいつ。

「はぁーー。」

「ねーねー、この後さっきの続きしよ〜?」

「あぁ後でな。」

何気なく返事をする。

その途端キッ、と仙道が睨んでくるのがわかる。

(ん、今なんか変なこと言ったっけ?)

変なことなんて言っていないはず……

(あっ!)

「え、えっとさっきの続きってのは配電盤のチェックの事だから‼︎」

「へー、そーですかー。」

何気なさすぎる返事を返してくる。

何か別の話題を探さないと……

「そういえば、アンドロメダの性能とかを詳しく説明していなかったね……クルーの数は三千人。戦艦の中だと今のところ一番多い。

ミサイルなんかは秒間に最大六百発撃てる。」

そこでやっと新人君の顔に驚きの表情が現れた。

「それからうちの艦は五十のデッキと四つのハンガーから成っている。

デッキの中にはブリッジ、武器庫、ミサイルやレーザー砲のある攻撃デッキ、二つの食堂、それからクルーの部屋がある。

そしてハンガーはスペースファイターなんかを収容出来る格納庫で、きみはその四番ハンガーに入ってもらった。

で、ここが……」

目の前の扉が開く。

「この艦の中枢、司令室ブリッジだ。」



ブリッジに入った途端に多くの視線がこちらを向いた。

構造は円形で二階建て、二階が今入ってきた場所で一階が円の外周沿いに張り巡らされている。ドアから一番離れた側には巨大なスクリーンがあり、外の様子を見ることができた。

「艦長、彼は?」

そうゴツい男の人が梅宮艦長に話しかける。

「新人の仙道。δ分隊の隊長になってもらうつもり。こっちは副長のエドワード。射撃管理官も兼任してるよ。」

「エドワードだ、よろしく。」

握手を求められる。

「仙道です、よろしくお願いします。」

「あ、そうだ。君にはウチのスペースファイターのδ(デルタ)分隊の隊長になってもらおうと思ってるから、隊員のいるとこに行ってみるかい?」

「じゃあ、お願いします。」



仙道を他のδ分隊のメンバーの所に連れて行き、

「はいこれ。」

と言って部屋の鍵と船内の地図を渡す。

去り際に

「リア充爆発しろ……」

とか言われた気がするが、空耳だろう。

「ねー、さっきの続きの楽しい事しよ?」

結衣が袖を引っ張ってくる。

「はいはい。」

こりゃ誤解生んで当然だな。

気をつけないと。


「あ、あの人隊長さんじゃない?」

「思ってたより若いね。」

「頼り甲斐なさそう。」

「だから頼るのは自分だけだっていっただろ。」

入った途端、罵声のような歓迎を受ける。

「こんにちは、この分隊の隊長になった仙道です。」

「ん。」

「よろしく。」

「どうも。」

「……」

誰も自分の名を言わないのか。

こりゃまとめるのが大変そうだ。

一応部屋には十人ほどの隊員がいた。

さてと、何から話すかな。



「艦長!」

司令室ブリッジに戻るとエドワードから声をかけられる。

「ん、どうしたエドワード副長?」

「全攻撃デッキのクルーの配備、武器庫への弾薬の装填共に完了しました。」

「うむ、ごくろー。」

結衣がニョキッと俺の後ろから顔を出して代わりに応える。

「私は、あなたではなく艦長と話しているので引っ込んでいてもらえますか?」

「いやだにゃーー。」

(はぁ……また始まった)

この二人はいつも仲が悪いからいつもぶつかる。

「大体あなたはなぜこの船に乗っているんです?役職は?」

「ゆーの奥さんだもん。」

「私は真面目に聞いているんですが。」

「本気だもーーん!」

「はいはいそこまで!」

手で制止する。

「ちょっと配電盤の最終チェックだけしてくるよ。」

「私も行くーー。」

もうこの二人は遠ざけるしかないな。


「全く艦長は何を考えているだ⁉︎あんな女をこの艦に入れるなんて。」

「そんなこと言うなよ、何か考えがあって乗せてるんだろ。」

ワープコアの点検から戻ってきたエンジニア、ミカエルが振り向くと立っていた。

「ふん、私にはよく分からん!」

「そりゃ、あんたは筋肉馬鹿だから仕方ないよ。……ウッ!」

ヘッドロックをかける。

「タンマタンマ、悪い悪い、俺が悪かったから。筋肉馬鹿なんて言わないよ、筋肉馬鹿なんて、な筋肉馬鹿?……ギャーー‼︎」

二度と言えないようにしてやる。



-ハッブル宇宙望遠鏡観測局にて-

「おい、あれなんだ?」

「どうした〜?隕石か?」

「いや、隕石みたいな形じゃない。」

隕石なら丸かったり楕円球だったりするんだが。

「あれはまるで……戦艦だ‼︎」

「おい、んなわけないだろ!画像を大きくしてスクリーンに出せ。」

「あ、あぁ。」

正面にあるスクリーンに写真が映る。

先端の尖った鉄の塊が見える。以前にも見たことのある物体。

「嘘だろ!あれはまさか……カルダノ⁉︎」




「艦長、ちょっとよろしいですか?」

「ん、何かあった?」

配電盤のチェックをしているとドクターのシャルロットが横から話しかけられた。

容姿ははっきり言ってメチャメチャ美人だ。連合の中での男からの人気は高い。

個人的にはちょっと怖いんだけど……

「治療に必要な道具類は全て運び終わりました。これでいつでも治療可能です。あと……もし良かったらこの後お茶しません?」

「する訳ないでしょ‼︎」

隣で作業していた結衣が、睨む。

(いや、俺答えてないんですけど。)

「あー、お誘いは嬉しいんだけどこの後、観測デッキに行くんだ。ゴメンね。」

「あら、そうでしたか。これは失礼しました。ではお気をつけください、隣のメスギツネには。」

「ははは……」

「誰がメスギツネよ!」

「あらあら、キツネがコンコン言っておりますわ〜。」

また喧嘩かいな。今日は多いな。

「えーっと、じゃあ観測デッキに……」

その時だった。

「連合本部より全戦艦に連絡!現在カルダノと思われる戦艦が地球に接近中!全機戦闘準備を取れ!繰り返す……」

警報が鳴り響く。

「急いでブリッジに戻るぞ!」
















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