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ラストヒーローズ   作者: やましくないヤマシィ
宇宙奪還編
23/52

始まりの時1

「仙道、セオルド館長が呼んでるよ!」

スペースファイターの点検をしているとアダムが声をかけてきた。

「おいおい、俺は何の規約違反もしてないぞ。……この点検が終わってから行くと伝えてくれ。」

「いや、すぐに来いってさ。」

はぁー、とため息をつく。

こいつの点検ほど楽しいことはないのに。

「わかった行ってくるよ。」



ここは戦艦プロキオンのデッキの中だ。戦艦といっても、水上に浮かぶ船の戦艦じゃない。地上五万四千キロの無重力の中に浮かぶ、宇宙戦艦だ。人類はこの100年で随分と宇宙開発をしてきた。

まず月に基地を作ってから戦艦を作るようになった。このプロキオンだってそこで作られた物だ。

戦艦といってもこの船は小型船で戦闘というより偵察型だ。といっても、今までに戦いがあったのなんて18年前くらいだが、俺は子供だったからよく覚えていない。

作業を止めて、艦長室に向かう。

コンコン、とノックをする。

「失礼します。仙道ですが……」

「入れ!」

ガチャっとドアを開けるとそこにはもうハゲ頭になったセオルド艦長がいる。

「あのー、どういったご用件で?」

「んーーとね……君に異動通告だ。明日より現在開発の新型戦艦アンドロメダのδ(デルタ)分隊の隊長として働いてくれ。」

「……は?」

異動だと?しかも明日から⁉︎

「あのー艦長殿、本気ですか?」

「あぁ本気だよ。というか君は元々素晴らしい人材だ、飛行の腕がね証明書だった。そこに目をつけられたんじゃないかな?……いやかな?この船でもっと働きたい?おー嬉しいねぇ。働きたいなら僕の肩さえ揉んでくれればこの船にいていいよ?」

ニヤニヤしながらこっちを見てくる。

「わかりました分かりました。異動ですね。」

「よし、良い子だ。じゃあこれ。」

はいっ、と渡されたのはアンドロメダのクルーである事を証明する顔写真付きの証明書だった。

艦長室から出て行こうとすると、

「あ、ここの証明書は置いてってね〜!」



自分の部屋に戻って、荷物の整理を始める。

「ったく、ここにきてからまだ5年しか経ってないんだぜぇ?」

新人としてここのスペースファイター部隊に配属された時はうれしかったんだけど、今は何にも起こらないから単調な生活というか、つまらないというか。

「仙道、ちょっと入って良いか?」

ドアのところに立っていたのは、アダムだった。

「お前、新型戦艦に行くんだってな。」

こいつは配属が決まって、新人が一同に集まった時に初めて話したやつだ。

「あぁ、明日からってふざけてるだろ?」

今では配属が違うものの、一番の友人だ。

「そうだけど、飛行の腕は内で一番じゃん?凄いなぁ……」

凄いとか言われ慣れてないから恥ずかしいな。

「そういえば、アダムだって原子炉の調節とかさせてもらえるようになったんだろ。早いって噂じゃん。」

普通だと10年はかかるって言われてるから、すぐ噂は伝わってきた。

「まだまだだよ。それより……頑張れよ。」

「おう、ありがとう!」

「じゃあこれ。」

はい、っと言って渡してきたのは一枚のメダルだった。

「前にね、ゲームの世界大会があったんだけど、その時に二位になった時にもらったものなんだ。売ったらめちゃくちゃ高いけど、売らないでね?」

ゲームの大会でのメダルなんて高いのか?てかこいつゲームとかやるたちだったんだ。

「分かった、売らないで大事に持っておくよ。」

それを聞くと安心したような顔をして部屋から出て行った。


自分の愛用のスペースファイターで新型戦艦アンドロメダに向かう。

アンドロメダはまだ飛んだ事がないそうだ、というか建設中って聞いた。建設場所は月だと聞いている。

「とりあえず向かうか。」



月に着くとそこには巨大な戦艦が三機作られていた。

「おい、もう完成してるんじゃないか?」

そう、すでに外周の設備は完成していて、ロボットは何も見えなかった。

『こんにちは、名前と用件と機体番号を教えて頂けますでしょうか?』

ファイター内の無線から音声が聞こえてくる。

「えーっと今日からアンドロメダに配属する事になった、仙道零也です。

アンドロメダへの着艦許可をお願いします。機体番号は……」



「艦長!一人新人が本艦に着艦を要請してるんですけど〜。仙道って人です〜。」

管理室から連絡が入る。

「じゃ、四番デッキに誘導して。僕そっちへ行くから。」

配電盤のチェックをしている手を止めて立ち上がる。

すると、くぃ、っと袖を引っ張られる。

「私もそっちへ行く!」

ポニーテールの子が上目遣いで見てくる。

「変なこと絶対言うなよ。」

「ひゃーーい。」

気の抜けた返事が返ってくる。


「ようこそ、アンドロメダへ。私が艦長の梅宮悠介だ。」

ファイターを中に止めてデッキから船内に入ると、そこには艦長と小柄な女の人が居た。

「どうも、今日からこちらに異動してきた仙道です。」

「いやぁ、日本人が来ると嬉しいねぇ。あ、今から艦内を案内するからね〜。」

「こんにちは、私は……居候の?いや違うか。彼の妻の桜木結衣。呼び方は人妻さんでよろしく!」

いきなりリア充発言を食らって、ぶん殴ってやろうかと思う。

「おいーーー!誤解を生む発言は止めろってーー‼︎」

嘘なのか、その割には

「何で腕を組んでるんですか?」

「いやいや、組んでない組んでない。一方的に掴まれてるだけだから!……まぁいいや、行くよ。」

強引に話を切られた。

切られなかったら、まだまだこのグダグダが続くことになっただろうが。

(色々疲れそうだな。)

そう思いながら、二人について行った。










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