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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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212話目

「とりあえず、軽く動こうか」

「分かったよ」


 私はアイちゃんと組手みたいに軽く動き、お互いにゆっくりと攻撃を当てます。それをしばらくして体をほぐした後、本格的に打ち合います。まあ、私にはほぐす必要のない体なんですけどね。


「ほっ、はっ、やっ」

「はい、ほい、はいっ」

「それ、真面目にやってるのか?」

「真面目にやってますよ。本気ではないですけど」

「ここで本気を出されても困るけどな。とりあえず、攻撃力は下げてスピードを上げる感じで頼むよ」

「分かったよ」


 私の掛け声が不真面目に聞こえましたかね? でも、お遊びみたいなものだと思ってたんですけど、意外と真剣だったんですかね。とにかく、アイちゃんの希望どおりスピード重視で力は抜きますか。


「うっ、これはきつい」

「まだ全然本気じゃないよ?」

「本当に? じゃあ、うちだけケルベロスで行くわ」

「いいよ」


 アイちゃんは両手を犬にするケルベロス形態に変身しました。何気に通常の変身以外の変身を見たのはアイちゃんが初めてですね。私達と同じ感じですかね? だとしたら、やっぱりアイちゃんには力の相性がいいか、アヤヒさんに近い親戚なのではないでしょうか?


「今日の犬はドーベルマンにダックスフンドですかね? 顔だけだといまいち分かりにくいけど」

「うちもドーベルマンは分かるけど、こっちは分かんないかな。まあ、何でもいいよ」


 犬の種類による攻撃の違いとかは無いみたいですね? とりあえず、ドーベルマンは怖いって感じがします。すぐに噛みつくぞーって感じですね。

 パンパンパンって感じでミート打ち? みたいな感じで打ち合います。これ、本当に訓練になるんですかね? とりあえず、私も徐々に本気で打ちに行きますか。


「ちょっ、タンマ! さすがに痛いし早いし!」

「じゃあ、もう少し手加減するよ。・・・このくらいでいい?」

「ぎりぎりだけど、これなら訓練になるしいいと思う」

「分かった、じゃあこれでいくよ」


 少しだけ本気を出したくらいの攻撃速度ですね。ハルカさんなら簡単に対応してくる速度でしかありませんが、アイちゃんにはこれくらいでぎりぎりなんですね。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ、少し休憩していい?」

「いいよ。水でも飲んできたら?」

「ああ、そうするよ」


 アイちゃんは汗だくになってケルベロス形態を解除しました。ケルベロス形態が疲れるのか、私のちょっと本気に対応するのが疲れるのか、その両方かは分かりませんが、とりあえず休憩ですね。


「カエデは全然疲れてなさそうだな?」

「うん、そんなに疲れてないよ。というか、疲れを感じないって言った方が正しいのかな? さすがにずっと本気を出して動いてたら体の動きが鈍くなるけど、これくらいなら全然大丈夫かな」

「はぁ。やっぱりカエデの方がうちより強いか」

「まあね」

「そこは謙遜してもいいんじゃない?」

「事実だし」

「くっ。とりあえず、休憩してくる。というか、汗かいたからシャワーも浴びたい」

「じゃあ、シャワーも行ってらっしゃい」


 じゃあ、私はアイちゃんがシャワーに行っている間に床でも磨いておくとしましょうか。

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