211話目
次の日、猫は来ていなかったのでマミコさんの様子を見に行くことにしました。
「マミコさん、どんな感じでしょうか?」
「あら、カエデちゃん。この一角を私達が使っていいことになったの。建物内はちょっと埃っぽいけど、掃除さえすればすぐ住めるわ」
どうやら街の一角の住宅街をマミコさん達が自由に使えるようになったみたいですね。ただ長い間、誰も住んでいなかったから埃だらけみたいですけど。それに、ライフラインは通っていないから、風雨をしのげるだけでやれることは太宰府天満宮に居た頃と変わっていないみたい。まあ、野菜なんかの食料は手に入るみたいだから、環境はマシになったのかな?
「私に何か手伝えることはありますか?」
「カエデちゃんの力を借りるほどじゃないわ。それに、自分たちが住む場所くらい自分たちで整えないと、頼り癖みたいなものがついてしまいそうだもの」
「そんなことないと思いますけど」
「ふふっ、まあ、自分たちでやりたいのよ」
「分かりました。何かあれば言ってくださいね」
「分かったわ」
マミコさん達はどうやら自分たちの力だけで住めるようにするみたいなので、手持ちぶたさになってしまいましたね。
「エリ、他にどっか行くとこある?」
「うーん、アイちゃんの所は?」
「用は無いけど、行ってみようか」
というわけで、私達は今度は球場へ向かいます。アイちゃんはトレーニングルームに居るようですね。
「アイちゃん、遊びに来たよー」
「だからちゃん付けするなっての。で、遊びに来たって? ここに遊ぶもんなんかないよ」
「何かないの? トランプとかならどこかの家にありそうだけど」
「そんなもん、ヨウコとやってもボロ負けするだけだからわざわざ用意してないわよ。そんな事より、一緒にトレーニングする?」
「私はトレーニングはいいかなぁ・・・」
「私もパス。というか、植物に筋力は関係ないだろうし」
「そっか。うちはまだまだ強くなるために鍛えるつもりよ。そして、いつか名古屋でトップに立つ!」
「アイちゃんは名古屋に戻るの?」
「戻るかどうかは分からないけど、負けたままじゃ悔しいから、リベンジはしたいと思っているわよ。今のうちじゃまだ勝てないし。そうだ、せっかくだからカエデがうちを鍛えてくれよ」
「えぇ・・・。私はハルカさんから教えて貰った護身術みたいなのしか知らないよ?」
「うちの見立てだと、カエデに勝てるようになれば名古屋でもいいところまで行けると思う」
「トップの人はそんなに強いの?」
「ああ。動きが人間じゃねぇ。まあ、実際に人間じゃないんだけど、その中でも遥かに人間離れした動きをしてるんだよ。うちも変身できるようになって動きは早くなったけど、記憶にある動きにはまだついていけてないって感じかな」
「そうなんだ。じゃあ、私とやる?」
「そうこなくっちゃ」
こんな感じで、今日はアイちゃんと模擬戦をすることになりました。




