210話目
「と言っても、特にやることは無いんだけどねー」
「だねー」
私とエリは、街の外側の方でのんびりとくつろいでいました。襲撃を気にする以外に特にやることがないので、エリと日向ぼっこしてます。
「にゃー」
「あっ、野生の猫だ」
「野生の猫って・・・。まあ、飼い猫ではなさそうだけど」
基本的に生きるのに余裕がある人が少ないので、ペットを飼う人はほとんどいません。ペットを飼うくらいなら、食料となる動植物を育てる方がいいでしょう。それでも、ごく一部の人は自分の食い扶持を減らしてでもペットを飼っているみたいですが。
「にゃーん」
猫が私の足にあたまをこすりつけてきました。私の皮膚は固いので、私は何も感じませんが猫にとっては棒か何かだと思っています?
「猫を飼ったことは無いけど、こうしてみると可愛いよね」
「うん。私も飼う余裕なんて全くなかったし。自分が生きるので精一杯だったなぁ」
「まあ、カエデはそうだったよね。私んちは母親がアレルギー持ってたから飼えなかったよ」
「じゃあ、今からでも飼う? 餌はその辺の動物を捕まえてくれば良さそうだし」
「うーん。でも、ずっと飼うのはなぁ。責任持てないよ」
「じゃあ、ここにいる間だけかわいがる?」
「それくらいなら、いいかな?」
というわけで、私はさっそく餌となる動物を探しに行きます。丁度良くネズミが居たので捕まえました。
「エリ、餌をとってきたよ」
「げっ! ネズミじゃないの!」
「うん。丁度見つけたんだ」
「あんた、よく素手でそんなの掴めるわね・・・」
「まあ、ネズミに病気が無ければ普通に食料候補だったし」
「マジで・・・?」
エリの口元がちょっとひくついていますが、これは猫にあげるので問題ないはずです。
「ほーら、おたべー」
私はネズミを猫に与えます。ネズミはまだ生きているので、走り出しました。それを猫が本能で追って捕まえます。お腹が空いていれば、きっと食べるはずですよね。
「・・・食べないね」
「うん、捕まえただけみたい」
「ネズミ、嫌いなのかな?」
「さあ。まあ、私は別のものの方がいい気がするけど」
「じゃあ、今度はエリが捕まえてくればいいよ」
「というか、わざわざ餌を与えなくても、自分で虫とか鳥とか捕まえて食べるんじゃないの?」
「あっ、そうかも。でも、何かかまいたいんだけどね」
「まあ、なでてあげるだけでもいいんじゃない?」
私達は、こうして今日一日は猫と戯れて過ごしました。




