203話目
福岡から山口県に入った時、突然建物から複数の人が現れました。
「やっと来たか! 待っていたぞ」(脳内変換できる人は広島弁で)
「なんだ、負け犬か」
そのうちの一人がアイちゃんに話しかけましたが、アイちゃんは特に驚いてもいませんね。
「誰が負け犬だ! この白石涼子(CVイメージ 染谷まこ)、お前に負けた覚えはない!」
「何が負けた覚えはない、よ。こんなところに居る時点で分かり切ってる事じゃない」
「それは、広島に行ったのにお前が居ないからだ! だからこうして、お前を探しに来たのさ」
「で、本当は?」
「少しでも人数が減ったところをやったろうと―――って何を言わせる!」
あー、これはアイちゃん達の戦力が分散したところを狙ってきた感じですね。ただ、それだけだと大して有利にはならないと思いますが。
「俺達は、お前たちが足手まといを連れて戻ってくるのを待ってたのだ!」(こっちも広島弁で)
「えっと、それをわざわざ口にするのは情けなくないですか・・・?」
「なんだガキ。誰もお前相手に話してないんだよ。黙ってな」
「あっ、そうですか・・・」
どうやら、私はアイちゃんが連れてきた難民みたいな扱いみたいですね。
「いくらお前でも、後ろを守りながらでは満足に戦えまい。あの時は、お前たちが周りを気にせず全力で戦えたのに対し、うちらは被害を最小に抑えようと全力を出せなかったからさ!」
「それで負けてちゃ本末転倒じゃない? まあ、うちらは綺麗なまま奪えて助かったけど」
「うっさいわ! おい、フォーメーションA!」
「「「あいさー」」」
白石さんが合図をすると、周りのランク2~3だと思われる男の人達が、私達のグループを囲みました。人望は無いって聞いていたけど、思ったよりは人望があったのかな?
「卑怯よ! 後ろの人達はあたし達とは関係ないわ!」
「狐っ子。関係ないわけないでしょ? 大体、関係なかったらそんなこと言わないでしょう?」
確かに。気を使っている時点で バレますよね。まあ、問題はないと思いますけど。
「ヨウコさん、こっちは私達が守りますので、お二人は好きに動いても大丈夫ですよ」
「・・・なあ、カエデ。なんでうちにはタメ口なのに、うちと同じ歳のヨウコには敬語なのよ?」
「え? だって、アイちゃんはなんかそういう扱いでいいかなって」
「!?」
アイちゃんはなにか驚いた顔をしていますが、私に負けた以上、私より下の扱いになるんですよね。それに、話しやすくてやっぱり同い年くらいに感じるので。
「そういう事なら、とりあえず後ろの人達は任せるわ」
「はい!」
守らなければならない人たちは何十人もいますが、こっちには私、エリ、マミコさんが居る。一気に来られても、エリとマミコさんの蔓があれば何とでもなると思う。
「へぇ? 人質を無視して戦おうってのか?」
「カエデ達に任せた以上、もう人質扱いになることはないよ」
「言うじゃないか。だったら・・・おい、お前達! 何人か痛めつけろ!」
「「へぃ!」」
5人位の男の人達が、私達に向かって走ってきました。見たところ、アイちゃん所に居るのがランク3、こっちの人質のつもりにしている人たちはランク2ってところですね。
「エリ、何人足止めできる?」
「やろうと思えば全員出来るけど、私が2、マミコさんが1、カエデが2でいいんじゃない?」
「マミコさん、それでいいですか?」
「ええ、大丈夫よ」
ランク2程度なら、問題はまったくないですね。




