199話目
私の右手から蒸気のようなものが立ち上り、赤く光を放ちます。
「そこまでよ!」
さあ、これからという時に、ストップがかかりました。この声は、エリでもマミコさんでもありませんね。一体誰でしょうか?
「ヨウコ・・・」
「アイ。あんた何やってんの? 何しに来たか忘れたの?」
「忘れてない。ちょっと頭に血が上ってた」
「だからって、本気で戦わないで」
「ごめん・・・」
アイちゃんはヨウコって呼んだ人に謝ると、変身を解きましたね。だったら、私も攻撃をやめるしかありません。
もう一人の人は、見た目の年齢はアイちゃんと同じくらいですね。破れたジーパンとTシャツをかっこよく着こなしています。そして、ジーパンのお尻の部分から尻尾が出ています。ふさふさのしっぽですね。
「そっちの子、ごめんね。アイがいじめたみたいで」
「別にいじめられてませんが?」
「え? そうなの?」
「そいつ、強いよ。うちが本気出しても倒せてないし」
「嘘でしょ? てっきり、アイがやりすぎたのかと思ったんだけど。あっ、自己紹介するわね。あたしは日笠陽子(CVイメージ ピトフーイ)。アイとは親戚で同い年だよ」
「私は本渡楓です・・・。えっと、これ、どうしよう?」
私はエリの方に助けを求めましたが、エリも首を左右に振って拒否されました。もう一度戦う気にもなりませんし、素直に帰ってくれませんかね?
「あの、もう、帰ってもらえますか?」
「えっと、あたしは今きたばっかりでどういう事になってるのかいまいち分かんないんだけど、一応助けに来たんだけど?」
「それは聞きましたけど、別に誰もそれを望んでいないので」
「街だよ? こことはインフラの規模も違うし、食料だってあるわ」
「マミコさん達も自給自足していますし、今更移動する理由が無いと思います」
とは言ったものの、これは私の想像でしかありません。結局、私達はマミコさんを助けに来たものの、判断するのは私じゃないですよね。
「やっぱり、ここの人達を交えて話してもらえませんか? 私は関係者ですけど、住居に関しては部外者なので」
「そうなの? まあ、あたしは最初から話し合うつもりだったからいいんだけど。アイ・・・?」
「―――・・・うちは、ううん、何でもない。うちはちょっと頭を冷やしてくる」
アイちゃんはそう言うと、あっという間にどこかへ走って行ってしまいました。
「変なの・・・。とりあえず、話を聞いてもらえるってことでいいのかしら?」
「はい。マミコさんがここの代表です」
私は、マミコさんに会話の主導権をバトンタッチします。




