192話目
アオイさんはあれから数日、自分用にナノマシンを調整しようとしたみたいですが、うまくいかないようです。もともと私用に作られたものと違い、アオイさんに合わせるのは難しいみたいですね。
「大変よ!」
「あ、リナさん。お久しぶりです」
「うん、おひさ・・・ってそれどころじゃないんだって!」
「そんなに慌ててどうしたんですか?」
「反乱よ!」
「反乱・・・?」
「広島が落とされたわ!」
「リナさん、とりあえず落ち着いてください。私だけが聞いても理解できないと思うので、みんな呼んできますね」
日本中を再び回ってきたリナさんが、不穏な情報を持ち込んできました。反乱ってことは、リナさんの親戚が攻められたって事ですよね?
私はアヤヒさん、ハルカさん、ユカリさん、アオイさんを呼んできました。ミカコさんは今は水槽から出られず、エリは研究者の男を見張っているので残すことに。自衛隊の男は呼んでないけど、ハルカさんを呼んだ時になぜか一緒についてきました。
「リナさん、みんなを呼んできました。詳しく話してください」
「分かったわ。私が広島に行ったとき―――」
そこから、リナさんから詳しい話がされました。リナさんが広島に行ったときにはすでに広島には治めていたはずの真の使徒(リナさんの親戚)がおらず、アジトにしていた広島球場は動物たちに占領されていたそうです。
「もっと詳しく調べられなかったのか?」
「無理だったわ。透明化しても、匂いでバレたもの」
「なるほど。嗅覚までは誤魔化せないか」
「それでも、一人も爬虫類の使徒が居なかったから、落とされたと判断したわ」
「街を手に入れる利点ってなんですか?」
「一番はやっぱり食料ね。街はどこでも食料を優先して作ってるし・・・名古屋以外は」
「なるほど。では、食べ物のために広島を襲ったという事ですね。けど、リナさんが見たのは動物ですよね? 爬虫類じゃなく」
「そうよ。普通の動物も居たし、ヴァリアントも居たわ。哺乳類ばっかりだったから、もしかしてアヤヒちゃんがやったのかと一瞬思ったくらいよ」
「あたしはそんなことしないわよ」
「分かってるわよ。だから、たまにいる哺乳類のヴァリアントがたまたま食料を求めて広島に来たのかと思ったわ。ほら、最近ヴァリアントが増えてたし」
「でも、違ったと?」
「うん。動物たちは、何かに導かれるように統率された動きをしていたわ。何者も近づかないように、犬に巡回させてる感じ」
「それで、私達がそこを取り戻す手伝いをすればいいんですか?」
「うーん、どうしようかしら?」
「あれ、違うんですか?」
「あそこを治めてたのはあいつだし、別にいいかなって思ってる」
「そうなんですか・・・」
リナさんと、広島を治めていた人はよっぽど仲が悪かったんですね・・・。




