191話目
「カエデ、私も飛んでみたいのだが」
アオイさんが私が飛んでいるのを見て飛びたくなったようです。
「アオイさんも鳥類のDNAを飲むんですか?」
「違う、あれはカエデに合わせてあるから無理だ。そうじゃなく、カエデに捕まって飛べないかと思ってな」
「無理じゃないですか?」
「大きな猛禽類は小動物を掴んで飛べる。きっとカエデなら私を飛ばせるはずだ」
私が今なんの鳥かは分かりませんが、腕以外は変化していません。足で掴むなんて無理ですね。
「足は変化させられていませんよ?」
「ならば、足に蔓を結ぶか」
・・・アオイさんはどうしても飛びたいようですね。仕方ありません、やるだけやってみましょうか。
私の足とアオイさんの腕をエリの丈夫な蔓で結びます。
「じゃあ、飛びますよ」
「ああ」
私は何度か羽ばたき、少し浮きます。そして、アオイさんをぶら下げる段階になります。あれ? 思ったよりも軽いですね。体感ですが、20キロも無い気がします。小さいとはいえ、小学生の低学年くらいであればもっと重い気もするんですが。まあ、軽い分にはいいでしょう。
「おお! 浮いたぞ!」
「じゃあ、もう少し高度を上げますね」
無事、アオイさんを吊るした状態でも飛べたので高度を上げます。10メートル・・・20メートル・・・30メートル・・・これ以上はさすがに落下した時が怖いんですが。
「アオイさん、もうそろそろ着地していいですか?」
「うむ。これならどこへ行くにも早くなりそうだな」
「まだ、慣れてないですよ。もう少し練習が要ると思います」
アオイさんは気が早すぎます。まだ飛び始めたばかりなのに、もう自由に飛べると思っているようです。私としては、もっと練習しないと怖いです。まあ、仮に墜落しても死ぬことは無いと思いますが、墜落前提では飛びたくありません。
「これは、カエデのコピーをあの男に作らせれば・・・」
「それは本当にやめてください」
私のコピーなんて見たくありません。それに、自分そっくりの人がいっぱいいるなんて気持ち悪いです。
「ふむ・・・ならば、自分用に調整したナノマシンを作り出すしかないな」
「そっちの方向ならまあ、自己責任ですし、いいんじゃないですか?」
「よし、研究するぞ!」
アオイさんが変な事をしなければいいのですが・・・。




