181話目
「さて、粗方片付いたわね」
リナさんがパンパンと手で服に着いた埃を払う。今回は変身してないから服は着たままですね。変身していない時の利点は武器を持てることで、手にはナイフが握られています。ナイフは、料理にも解体にも使えるし便利なので、大抵は携帯しています。
「馬鹿な、俺の兵器たちが・・・」
研究者の男はがっくりと膝をつきました。自衛隊の方の男は、初めから期待してなかったのか、無表情のままのようです。
「じゃあ、もう諦めなさい。あ、そうそう。ちゃんと他の研究所の場所も吐いてね? 黙ってたらただじゃおかないわよ」
「くっ、ガキのくせに」
「ガキじゃないわよ。見た目は若くても、れっきとした大人のレディよ」
「大丈夫ですか?」
戦闘が終わったので、遠巻きに見ていたマミコさんも様子を見に来てくれました。マミコさんは戦闘には参加せずに、他の人達が襲われないよう守っていました。
「はい、怪我はありません。でも、少しちらかっちゃいました」
戦闘をしたため、周りに少し被害が出たのと、少女の枯れたあとや割れた核が落ちています。マミコさんは、何気なくその割れた核を拾いました。
「これは・・・。何か力を感じます」
「力・・・ですか?」
「はい。私というか、私と共生している蔓の方にですけど、何かが流れ込むような感じがします」
私も試しに核を拾ったけど、特に何も感じない。エリは戦闘の時にすでに核に触ってるから、エリにも何もなさそう。あっ、何かマミコさんの位置を感じられるようになってきた。
「あれ? マミコさんから何か感じる気がする」
「エリも? 私も、なんかマミコさんの居場所が分かる感じがしてきたよ」
「という事は、核から何かを得たって事かな?」
「分かんないけど、きっかけはそうなのかもしれないね」
私がエリの居場所を感じられるように、同じことがマミコさんにもできるようになったという事だけは分かる。兵器だった子たちの事は感じられなかったから、そこには伝えようとする意志が必要なのかもしれないけど。
「私は何もしていませんよ?」
「マミコさんの中の蔓が何かしたのかもしれないですね」
マミコさんの蔓は、マミコさんの意志を汲み取って動かせるようにはなったけれど、結局は共生なので別の存在だ。だから、マミコさんであっても蔓の事は100%分かるという事は無いのだと思う。
マミコさんは蔓を手からだして、観察してるけど特に何も変わったことも無いようで首を傾げている。あっ、ついでに水をあげる事にしたみたい。
「もし何かあれば、私達に連絡を取れるって事ですね」
「そう、なるのかしら? じゃあ、もし何かあれば連絡を差し上げても?」
「はい、構いません。けれど、私達はたぶん徳島の方に居るからすぐには来れないと思いますけど」
「救援がいるというだけでも、耐えられることは多いと思うの。その時は、頼りにさせてもらうわね」
「はい!」
私は、マミコさんとのつながりが強くなった気がして、うれしくなりました。




