180話目
「マミコ様!」
「どうしました? 今、お客さんが来ているんですよ」
廊下をドタドタと走る音がして、突然男の人が現れました。
「て、敵襲です! 緑色の少女が沢山現れ、こちらに向かってきています! 止めようとした者たちは攻撃されました!」
「なんですって?」
敵と聞いて私達も部屋を飛び出し、外へと向かいました。外に出ると、確かに少女が多数確認できた。
「あれ? エリの子供の頃に似てない?」
「えー、私ってこんなんだっけ?」
まあ、確かに手が触手っぽく蔓がうにょうにょしてますが、子供の頃のエリですね。
「まさか、エリの子供・・・?」
「ちょっと! 私はまだ結婚どころか交際すらしてないし!」
「そうなの?」
「あ、うん・・・。だから、あれは私の子、違う」
エリがカタコトで否定したのであれらはエリの子供ではなさそうです。では、何なんでしょう?
「やっと来たか! 俺がその女から作り出したバイオ兵器が! 他の研究所で完成させた人型兵器よ。休憩のたびにシグナルを送ってたのが、やっと追いついてきたか」
「どおりでやけにトイレ休憩が長いと思ったわよ。てっきり、もう頻尿なのかと思っちゃってたじゃない」
「誰が頻尿だ! 残念だったな。きちんとパンツの中まで確認しないから発信装置を見逃すのだ」
「誰がおっさんのパンツの中まで確認するもんですか! ということは、あの子らはあんたらを助けに来たって事よね」
リナさんと男の会話で、あの子らはバイオ兵器だという事が判明した。けれど、見た目がエリに似ているので攻撃しづらい。
「・・・でも、知性は低そうね。邪魔しなければ攻撃しないみたいだし」
反撃を恐れて遠巻きで見ている警備の人達にはわざわざ攻撃しに行かないようで、怪我をしたのはあの子たちの邪魔をしたか、攻撃をした人だけなのでしょう。
「みんなが攻撃しづらいなら、私がやるわ」
エリは近づいてくるバイオ兵器に蔓を伸ばす。バイオ兵器もそれを攻撃と判断し、手の触手を伸ばすが、オリジナルであるエリの方が射程が長い上に頑丈なようで、バイオ兵器の触手を破壊する。けれど、すぐ再生した。さすが植物がベースなだけあって、再生力はあるし致命傷でもなさそうですね。
「どこかに本体となる核があるかもしれないから、そこを狙うといいよ」
「分かったわ。とりあえず、そこ!」
エリは一番近いバイオ兵器の心臓部に蔓を槍の様に突き刺す。体に穴が開き、心臓部ではなく、もう少し左の中心部に赤い核が見えた。
「あれが核だよ!」
「なるほど。ちょうど鳩尾の所にあるのね」
エリは複数の蔓を槍の様にバイオ兵器に刺していく。核を破壊されたバイオ兵器は、しおれて枯れて行った。
「うえぇ、自分でやっといてなんだけど、子供が死んでいくようで気分は悪いわね」
「私も手伝うわ。こう見えても、別に殺人は初めてってわけじゃないし」
弱点が判明したことでリナさんも戦闘に参加した。リナさんの透明化は植物であるバイオ兵器には関係なさそうだけど、そもそも攻撃されなければ攻撃してこないので、一撃で核を破壊すれば問題なさそう。仲間意識はないみたいで一人がやられてもそのままこっちに近づいてくるし。
「まだ不完全なんですかね?」
「うるさい! まだ研究途中なのだ!」
「あ、やっぱりそうなんだ」
普通の人間にとっては結構脅威ではあるけど、弱点が分かった上に私達相手に勝てる様な兵器ではなかった。




