176話目
「やった! これで・・・エリ! もうあの人のいう事を聞く必要はないよ!」
「苦しい! 助けて、助けて!」
エリは混乱しているのか、私の声が聞こえていないように攻撃を繰り返してきます。
「あたしはあっちの男の相手をしてくる。ここはカエデに任せていい?」
「はい、分かりました。私がエリを止めます」
親友であるエリを止めるのは私の役目です。他の人に任せられません。だから、少し手荒になるかもしれませんが、逆に立場ならきっとエリは私を殴ってでも止めてくれるはずです。・・・という事にしましょう!
「やあぁっ!」
私はついに反撃する事を決意します。しかし、ここでエリがおかしな動きをしました。新たに細くて短い蔓とも言えないものを大量に生やしたのです。よくわかりませんが、私はそのままエリの蔓を捕まえようとしました。
「えっ、嘘、捕まえられない!」
私が蔓を掴もうとした時に、先にその細い糸みたいなものに触れてしまいます。すると、その瞬間に蔓が私の手を避けるのです。
「このっ、このこのっ!」
私はやみくもに捕まえようとしますが、するりするりと避けられてしまいます。蔓に集中しすぎたためか、私の足にいつのまにか蔓が巻き付いてきました。
「しまった!」
私はそのまま蔓にもちあげられ、地面に叩きつけられます。それも、何度も、何度も。
「ひゃははっ、さすがにこれは死んだんじゃないかぁ?」
男の声が聞こえたので、そっちを見ます。・・・余裕そうな声とは裏腹に、すでにアヤヒさんに捕まってるじゃないですか。
「カエデ、こっちはもう終わってるから手伝おうか?」
「いえ、私がやります!」
私は地面に何度も叩きつけられながらも返事をします。これは別に痛くはありませんし。少し酔いますが。
私は自分の足を捕まえている蔓を逆に掴みます。そのまま、手繰り寄せます。それに気づいたエリが、蔓を戻そうとしますが、放しませんよ。
「ぐるぅ、ああぁ!」
今度は蔓でめった刺しにしてきますが、そちらも私には効きませんね。私は徐々に蔓を手繰ってエリに近づきます。どうやら、蔓を自切したりはできないみたいですね。
「うぅぅ、おぼえっ!」
「うわっ、汚っ!」
エリは口から何かを吐き出しました。私は、吐いたそれを回避します。地面に飛び散ったその液体が、シュウシュウと地面を溶かすような音がします。溶解液というやつでしょうか。エリ、意外と攻撃の種類が多いですね・・・。でも、そろそろ目を覚まさせてやるべきでしょう。
「エリ、歯を食いしばれー!」
「!!?」
私は、エリのお腹に向かってパンチを入れます。エリは蔓で防ごうとしたようですが、そんなの関係なく私のパワーで押し切りました。エリは吹き飛び、後ろの機械を破壊しながらめり込みます。
「ああっ、俺の機械が!?」
「あ・・・、やりすぎちゃったかな・・・?」
機械にめりこんだまま動かなくなったエリを見て、私は少し冷や汗を流しました。




