174話目
パパパパパッと連続して発砲する音が響きます。私は腕をクロスさせて顔を守ります。体をドンッと強く押される様な感覚が何度も続きますが、がんばって踏ん張って耐えます。発砲が止むと、キンッキンッと地面に薬莢が落ちる音も止まりました。
「っと、フルで撃っちまったぜ。ミンチになってないよな?」
「はい、大丈夫ですよ」
「な、ぁ・・・?」
男は私の姿を見て固まってしまいました。私も自分の体を確認すると、服はボロボロですが怪我は無いようですね。幸い、腕をクロスさせていたからか胸の部分の服は無事ですね。その代わり、その他は穴だらけになってしまいましたが。スカートの穴から白いパンツが少し見えてしまっているので恥ずかしいです。
「よくもやってくれたわね!」
「ば、化け物、本当に化け物になりやがった!」
私にかばわれていたリナさんが、どうやら変身したようです。見ると、何発か銃弾が当たっていたようで、ワンピースに血痕が付いています。さすがに私の体だけじゃすべての弾を防げなかったようです。
リナさんは、その血濡れのワンピースを脱ぎ捨てると、透明化しました。
「嘘だろ?! 消えた!?」
「はい、よそ見しすぎ」
「いつの間に!」
「いつのまにも何も、結構時間たってるでしょ」
男が驚いている隙に、アヤヒさんが後ろに回り込んで男の両肩を掴んでいます。手の爪が肉にめり込んでいて痛そうですね。男の顔も歪んでいますし。
「放しやがれ!」
「馬鹿なの? 放すわけ無いでしょ。さて、どうしようかしら。このまま、首を噛みちぎっちゃいましょうか?」
アヤヒさんは口をオオカミの様に変身すると、大きく口を開けて男の首を噛むふりをします。
「わ、分かった。降参するから、助けてくれ・・・」
「あたしたちを殺そうとして、それで許されると思う? きちんと情報を話してもらうわよ。それで、ここで何やってたの?」
「お、俺たちはここで力の研究をしていた・・・。九州を破壊しつくした集団みたいな化け物の力をな。ただ、あいつらを捕まえる事は出来なかったから、代わりになりそうなやつを見つけて研究してたんだ・・・」
「へぇ。それって何?」
「しょ、植物の化け物だ・・・。っ痛、そろそろ肩の手を緩めてくれないか?」
「嫌よ。で、その化け物はどこにいるの?」
「この奥の部屋だ・・・。そこが研究施設になってる・・・」
「そう。じゃあ、確認するまで大人しく待っててね」
「じゃあ、ロープで縛るから待ってて」
リナさんがいつの間にかロープを持って待機していたようで、空中に浮いていたロープの後ろにリナさんの姿が現れます。リナさんは、そのまま男をロープでぐるぐる巻きにします。
「リナさん、それじゃだめですよ。ぐるぐるに巻くと緩んで逃げられやすくなります。そういう時は、手と足をしっかりと縛った方がいいんですよ」
「そうなんだ。って、なんでカエデはそんな事知ってるのよ」
「何かの本で読んだことがあります」
「それってミステリー小説か何かでしょ・・・。まあ、その通りにしてみましょう」
リナさんは、男の手足を改めて縛り、さらにその手足を背中側で縛って動けないようにしました。




