173話目
その部屋を抜けると、誰も居ないコンクリートで出来た廊下でした。ここにも何かあるかもしれないと思い、油断なく進みますが特に何もないようです。
「油断したところで・・・っていう事もあるから気を付けてね」
「はい。何があるか分からないので、私が一番前の方がいいですね」
「じゃあ、あたしは後ろからの奇襲を警戒するわ」
「私は、どうしよう?」
「リナさんは臨機応変でお願いします」
「分かったわ」
ここでリナさんに透明になってもらう意味も無いので、3人で固まって進みます。一番奥には金属製の扉がありました。
「開けますね」
私はゆっくりと扉を開けます。多少は錆びていますが、人が出入りしているからか動きはするようですね。
そこは意外な事に電気がついていました。薄暗いけれど、LEDライトが確かに光っています。
「待っていたよ」
そこには、白衣を着た男性が立っていました。ぼさぼさの髪に白衣というのは、なんか狂気を感じますよね。
「どうして私達を待っていたんですか・・・?」
「入口で死ななかったからね。君たちには何か能力があるんだろう? それが俺の目的なんだよ」
「目的・・・?」
「そうだ。俺は超人になる!」
うぅ、この人、目がやばいです。本気で言ってますね。
「おい、高木。今度こそ仕留めろよ。ああ、多少は損傷していても構わない。目的は血だからな」
「分かった」
いつの間にか私達の後ろに男が立っていました。その男の手には拳銃があります。これがエアガンなのか本物なのか分かりませんが、リナさんに当たると危ないです。
「リナさん!」
私はすぐにリナさんの手を引いて後ろにかばい、アヤヒさんは横へと飛びました。その瞬間、パンッパンッと乾いた音がしました。私に軽い衝撃があり、足元に弾が落ちます。これはどうやら本物の拳銃ですね。威力はさっきのエアガンと大差ない気がしますが。
「なッ、マジで固いなこいつ!」
男は驚いていますが、エアガンでも無傷だったので驚愕というほどではなさそうですね。
「こんのぉッ!」
アヤヒさんが地面を蹴り、高木と呼ばれた男へと飛び掛かります。しかし、男は戦い慣れているようで、意外と素早く回避しました。
「おっと。やはり直接やりあうのは得策じゃないな。中尾のおっさん、奥へ行ってろ」
中尾と呼ばれた白衣の男性は、そそくさと奥の部屋へと退却していきました。そして、高木と呼ばれた男は、背中に担いでいたものを手前へと持ってきます。
「知ってるか? これはAK47ってアサルトライフルだ。さすがにサクラ程度じゃ効かなかったが、こいつならどうだ?」
どうだと言われても、私には違いが良く分かりません。けれど、下手に動くとリナさんに当たってしまいそうなので私は動けません。
「まずはそっちのガキの方だな」
男は、私に銃口を向け、引き金を引きました。




