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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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172話目

「ここから助けを呼ぶ声がします」

「見た感じ、何かの工場みたいだけど」


 破壊された工場。その跡地から声が聞こえます。何があるか分からないため、警戒しながら敷地内に入ります。見張りのような人は誰も居ませんが、良くない感じがします。


「誰も居ませんが、何か嫌な感じがします」

「あたしも、人じゃない何かの気配を感じるっていうか」

「じゃあ、私が透明化して調べようか?」

「多分ですけど、それだと危ない気がします」


 アヤヒさんが言う通り、人じゃないものの気配というか、感じを受けるので、きっとリナさん一人では危ない気がします。


 工場内に入ると、事務所の様な場所でした。そこに、何かがぶら下がっています。そこから、カチッという小さな音がしました。


「危ない!」

 

 アヤヒさんの叫び声が聞こえると同時に、私はリナさんを掴んで飛びずさります。その瞬間、ダダダッという音がして、私達が居た場所に穴が開きました。


「銃? でも、音が違うわよね」

「そうですね。空気を使ってるんでしょうか」


 火薬ではない方法で弾を撃つ。そして、その撃ったものは天井からぶら下がったままです。


「よく回避できたなぁ」

「しゃべった!?」


 そのぶら下がった何かからは、男性の声がしました。しかし、あいかわらず人の気配はしません。


「・・・あなたは誰?」

「侵入者にわざわざ答えるとでも思ってんのか? ここに入り込んだ奴は、誰であろうが殺せって命令を受けてるんでなぁ!」


 その声と共に、再び弾が発射されます。私はリナさんをかばって弾を受けます。衝撃はありますが、どうやらそれほど強くはないみたいですね。


「リナさんは隠れてください!」

「わ、わかったわ!」


 私は落ちた弾を見ます。銃弾ではなく、金属の丸い玉ですね。昔、たまに道路に落ちていたパチンコの玉ですかね?


「銃が効かないだと? 貴様、化け物か!」

「いきなり化け物扱いなんて失礼な人ですね! 少し人より頑丈なだけですよ」

「いや、貴様はここを破壊していった化け物どもの仲間だろう! 死ね!」


 天井から何かが落下してきました。その箱が地面に落ちた衝撃で爆発します。


「カエデ!」

「うぅ、びっくりしました・・・」


 さっきの玉よりは衝撃は強かったですが、私の体は無事です。それでも少しダメージを受けた部分は、すぐに再生しました。


「あぁ、服が焦げました!」


 体は無事でも、服が破れたり焦げたりしてしまいました。制服は貴重なのに!


「私、怒りましたよ!」


 私は落ちていた破片を拾って、最初に声が聞こえたぶら下がっている何かに向かって投げつけます。破片がいくつか当たると、それはぶちっとちぎれて地面に落ちました。そして、男の人の声はそれ以降、聞こえなくなりました。

 私は、落ちたものを確認しに行きます。


「カエデ、危なくない?」

「多分、大丈夫ですよ」


 私は落ちたものを確認します。


「カメラとスピーカーですかね?」


 私の投げた破片は、運よく天井に繋がっていたコードを切ったようですね。そして、そのカメラとスピーカーを包んでいたものは、何かの植物の様でした。


「あっちにあったのはエアガンみたい。ここに、一体何があるんだろうね?」


 私達を最初に撃ったのはエアガンらしいですね。

 この部屋をみんなで確認しましたが、それ以上の何も分かりませんでした。

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