171話目
とりあえず朝になったのでリナさんを起こします。朝と言ってもたぶんまだ5時くらいですけど。時計が無いので正確な時間は分かりませんが、太陽さえ出てればいいんです。
「ん~、もう朝~?」
「はい、出発しますよ」
「分かった・・・」
水道は止まっているので顔も洗えませんが、仕方ありません。まだ寝ぼけまなこのリナさんを引っ張って玄関まで向かいます。アヤヒさんも一緒に玄関へ向かいます。アヤヒさんは結局一晩中ワインセラーで無事な酒を探していたようですが、無かったようですね。
「さて、出発するわよ」
「はーい」
「うぃ~」
まだ寝ぼけているリナさんをおんぶします。リナさんは再び私の背中で寝そうですが、そうはさせません。
「うぁう、うぁう、ぁうぁう」
「ほら、起きてください」
私は少しジャンプするような、スキップみたいな感じで走ります。
「ちょっ、酔う。酔うって」
「じゃあ、起きてください」
「分かったから、普通に走って」
「分かりました」
起きたようなので普通に走ることにします。そのまま道路の看板をみつつ佐賀から長崎へ入ります。入ったところで方向確認のために集中して声を聴きます。実は、夜の間に声を聴くのを忘れていました。というか、もしかしたら夜の間は発信してなかったのかもしれません。
(助けて・・・助けて・・・)
「声はこっちの方から聞こえます。この先には何があるんですかね?」
「んー、あたしの記憶だと、長崎は修学旅行で行ったハウステンボスくらいしか知らないんだよね」
「私の修学旅行は京都だったから、長崎自体が初だわ」
「そうなんですね。それじゃあ、とりあえず走りやすいところを走りながら向かいます」
二人とも分からないみたいなので、声の方向に向かって走ります。距離は分かりませんが、ここより先は海なので、確実に長崎には居るはずです。長崎は思ったより狭いようで、すぐに海につきそうですね。
「声が強くなっています。今なら集中しなくても声が聞こえます」
「分かった。そのまま走りながら向かいましょう。あたしが少し先行するわ」
「はい、お願いします」
アヤヒさんは少しスピードを上げて何かないか索敵してくれるようです。そして、ハウステンボスに着きました。
「ここよりもっと南の方みたいです」
「そっか。やっぱりここは関係ないのね」
「ここより南だと、長崎市ってことになるわね」
「じゃあ、そっちへ向かいます」
どうやらこの声の主は長崎市に居る様ですね。




