170話目
ちょうど民家に入ったという事で、ついでに仮眠をとることにしました。明るくなってからの方がいいという事で、2時間くらいは時間をとれそうです。と言っても、民家の中のベッドや布団は、ずっと放置されているので虫の住処みたいになっていたため、フロアにビニールみたいなものを敷いて寝る事にしたみたいですね。私は寝る必要が無いので、この家を探索します。
「アヤヒさんはどうしますか?」
「あたしもちょっと何か面白いものが無いか探してみようかな」
この家は、結構大きな家です。きっとお金持ちの人が建てたのでしょう。リナさんがせっかくならと、そういう家を選んだので。なので、部屋数が多くいろんなものが置いてありそうです。
「うわぁ、個人宅で書庫なんて初めて見ました」
「あっちに地下室みたいなところがあるみたい。もしかしたら年代物のワインとかあるかもしれないから見てくるね」
アヤヒさんはバーで働いていただけあってお酒には詳しそうです。ワインならきっと無事なものがあるのかもしれません。けど、そういうのって適切な管理をしてあればの話な様な気がしますが、どうなんでしょうね? 熟成するとお酢になるとも聞いたことがある気がします。
私は何か暇つぶしになるような本が無いか、本棚を見ますが、私には難しいような本ばかりで読みたいと思えません。お金持ちの人って本当にこれらを読んでいるんですかね? 格好をつけるためだけに並べているだけの様な気もします。だって、ジャンルが統一されてないので・・・。難しそうな題名の本を片っ端から並べたって感じですかね?
「くそー、だめだった。全滅ね全滅。やっぱり、電気が来てないから温度管理できてなかったわ。地下だから多少は涼しいし日光があたらないとはいえ、10年は長いわよねー」
「それじゃあ、今の世界ではお酒は無いんですか?」
「一応、手作りの奴があるわよ。まあ、そういうのは貴重だから出回ってはいないだろうけど」
「それならアヤヒさんが酔っ払いに見える事はないですよね。よかったです」
「うーん、確かにそうだけど、あたしは酒が飲みたいよ。ダメもとでちょっと飲んでくる」
「やめた方がいいと思いますけど・・・」
「奇跡を信じるわ」
「そんなところで奇跡を使わないでください」
アヤヒさんはダメ元といいつつ再びワインセラーの方へ向かいました。私は再び書庫を見ますが、期待したようなライトノベルみたいなものは無いようですね・・・。
「これは、この家の家族写真でしょうか?」
ふと机の上を見ると、写真たてが伏せて置いてありました。なんとなく起こしてみると、3人家族の写真です。真ん中に居る少女が、やさしげに微笑んでいるのが印象的ですね。
家の中には持ち出せなかった貴金属や現金もありましたが、今の世の中では現金は使えないし貴金属も換金する場所が分かりません。もったいない気もしますが放置ですかね。




